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<エコラの日々>廃棄食品とフードバンク

絵・木下亜梨沙

 先月1日、芸術活動を通じて障害者の自立支援を目指す一般社団法人アート・インクルージョン(Ai)主催のイベントが、JR長町駅前で開催されました。
 秋晴れの会場はさまざまな出店でにぎわっていました。その中に「フードドライブ」という、これまで見たことのないコーナーがありました。
 開設していたのはNPO法人ふうどばんく東北AGAIN(あがいん)。「地域の企業や市民から余剰食品の寄贈を受け入れ、必要としているところに提供する」事業を行っている団体です。フードドライブは、市民の方々が家で余っている食品を持ち寄る場として設けられていたのです。
 私は1999年、事業所の古紙の回収のために「けやきオフィス町内会」というNPOを設立し、主に小規模事業所の古紙回収の仕組みをつくりました。一方で食品廃棄の問題も気になっていたので、2008年にフードバンクができたときはすばらしい仕組みだと感心し、うれしく思ったことを覚えています。
 事業所の廃棄物の古紙は古紙業者が回収して、リサイクルする仕組みがある程度できていますが、食品の廃棄物はどうでしょう? 
 おそらくまだ食べられるものでも、包装の破損や表示ミスなどで販売できないものや、賞味期限内が近くなっても売れ残っている食品は、大量に廃棄されているのではないでしょうか?
 Aiのイベント会場のフードドライブには、個人のお宅に余っている米、缶詰、調味料、麺類、乾物などさまざまな食品が提供されました。一軒の家ではそう多くなくても、集まると相当な量です。「もったいない!」と実感しました。
 こうして余っている食品があり、一方で食べる物がなくて困っている方がたくさんいる、という深刻な現状があり、それをつなぐのが、フードバンクの活動です。ホームレスの方への定期的な食事会、生活に困窮されている方や子ども食堂への食料支援なども行っています。そんなフードバンクの存在に感謝したいと思いました。
 現代は飽食の時代と言われています。お茶わんに付いたご飯粒も、「お米を作った人に感謝して残らず食べなさい!」と言われて育った世代の私にとって、食べ物を廃棄することは「もったいない!」だけでは済まされない重さを感じてしまいます。(ACT53仙台・深野せつ子)


2016年11月14日月曜日


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