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<混迷の青森県都>ずれ込む計画 議論再燃

建て替えが予定される市役所(上)、市が土地や床を購入することになったアウガ(右)、周辺整備を進めるJR青森駅(下)のコラージュ。多額の事業費を要する課題が山積する

 鹿内博前市長の任期途中の辞職に伴う青森市長選は、告示まで1週間を切った。2007年に31万を超えていた市人口は29万余りとなり、全国ワーストクラスの減少に歯止めがかからない。前市長辞職の原因となった市の複合商業施設「アウガ」の経営破綻問題をはじめ、市庁舎建て替えやJR青森駅前周辺整備など、まちづくりの先行きが不透明なまま、中心市街地の衰退が進む。山積する県都の課題を探った。(青森総局・横川琴実)

◎青森市長選11月20日告示(上)市庁舎の行方

<19年度完成目標>
 「震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高い」。2010年にこう診断された築50年超の青森市役所本庁舎。市は11年2月に検討委員会を設置し、現在地に10階建ての新庁舎を建てる整備基本計画を策定した。
 当初計画では17年度までに工事が完了する予定だったが、老朽化した庁舎は今も手つかずのまま。今年10月にはエレベーターが使えなくなり、「早く新しい庁舎にしてほしい」と高齢の来庁者はこぼす。
 現時点で市は19年度の完成を目指す。現在地での建て替えに反対する市議会の了承がなかなか得られず、予定がずれ込んだ。建て替え費は約100億円に上る。
 のしかかる負担。2月にアウガ再生に向けて市が土地や床を購入する公共化方針が示されると、「市の財政状況は厳しい。市役所機能をアウガに入れ、新庁舎は規模を小さくするべきだ」との議論が再燃した。

<市の負担44億円>
 市役所本庁舎の約1.7キロ北西にある青森駅。中心市街地のにぎわい創出を目指し東西自由通路の整備などを行う同駅前周辺整備では、東日本大震災後の建設費高騰で総事業費が当初見込み1.5倍の123億円に膨らむ試算が出た。通路の幅を減らすなどの見直しで約97億円まで圧縮し、7月に自由通路の整備・管理に関する基本協定を県、JR東日本と締結した。
 駅の東西がつながることに、アウガを抱える同駅前の新町商店街の関係者は「やっと決まった。駅前周辺整備を進め、アウガに市役所も入れば、新町通りに人が増える」と歓迎。「市中心部が優遇されているとの批判もあるが、公共交通機関を充実させれば、郊外の人にとっても便利なはず」と主張する。
 ただ、圧縮したとはいえ、駅前周辺整備で事業主体となる市の負担は44億円。「(新幹線が止まる)新青森駅がある今、青森駅に多額の投資をする必要はないのでは」との声も根強い。


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2016年11月15日火曜日


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