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<駆け付け警護>元自衛官「命の危険高まる」

駆け付け警護を想定し、暴徒を排除して国連職員(右奥)を保護する手法などを確認した派遣部隊の実動訓練=10月24日、滝沢市の陸自岩手山演習場

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣される陸上自衛隊の新任務「駆け付け警護」に、青森県内の50代の元自衛隊幹部は懸念を抱く。陸自第9師団第5普通科連隊(青森市)を中心に構成される派遣部隊が、新任務によって死傷するリスクは高まると言及。武器使用の判断や、命に危険が迫った状態での任務の経験不足などを不安材料に挙げた。
 「訓練はあくまで訓練で、現場を知らない人の『安全』は机上の空論。マニュアル通りにはいかない」。元幹部は駆け付け警護の危険性を指摘する。
 特に懸念するのは現場の判断能力だ。駆け付け警護の任務中でも武器が使用できるのは「正当防衛・緊急避難」の場合に限られる。
 元幹部は「武器使用が許可される場面の判断は難しい。誤って民間人を射殺すれば責任問題になり、一瞬でも判断が遅れると隊員の生命に関わる」と説明。「現場の指揮官ですら、これまでに経験したことがない緊迫した状況下で判断を下さなければならない」と危惧する。
 経験不足は任務を実行する隊員も共通の不安要素となる。派遣部隊は9月14日から新任務に基づく武器使用訓練などを重ねてきた。
 元幹部は、現地で駆け付け警護の任務が命じられれば、死傷のリスクが高い先頭に立つのは20〜30代の若い男性隊員と推測し「良くも悪くも、今の世代は平和しか知らない。訓練とは違い、銃口を人に向け、ためらわずに引き金を引けるのだろうか」と疑問視する。
 これまでより、命の危険にさらされる場面が増える派遣部隊。自衛隊法には隊員の服務に関して「危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努める」との規定があり、入隊時に宣誓することが決まっている。
 元幹部は「自衛隊の仕事は国を守ること。宣誓した以上、命令が出れば危険な場所にも行かなければならない。しかし、隊員にも家族や友人がいて、自分の家族を養うために働いている。今は一市民として日本の隊員に死傷者が出ないことを願っている」と語った。


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2016年11月16日水曜日


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