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<汚染牧草>堆肥化実験 放射性物質移行なし

 東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された廃棄物の処理を巡り、宮城県栗原市の委託で汚染牧草の堆肥化実験を進めてきた環境プラントメーカーの共和化工(東京)は16日、堆肥を活用して育てた植物に放射性物質が移行しなかったとする分析結果を市に報告した。市は結果を踏まえ、県が提案する廃棄物の試験焼却の可否を判断する。
 同社によると、7〜10月に同市金成のビニールハウスで植物の育成実験を行った。1キログラム当たり3000ベクレル前後の牧草約2トンに微生物や水、牛ふんなど計約20トンを混ぜ、約270ベクレルになった堆肥を使用した。
 ハウスには、(1)化学肥料のみ(2)汚染牧草を使った堆肥を1平方メートル当たり3キログラム(3)同20キログラム(4)汚染牧草を混ぜない堆肥2キログラム−を与えた4試験区を設定。各区で花、葉物、牧草、根菜、果菜の5種を育て放射性物質濃度を比べた。
 結果は全品目が検出限界値(1キログラム当たり10ベクレル)未満だった。全区画で高温障害が生じた牧草を除き、良好に育った。
 市役所であった報告会で実証実験のアドバイザーを務める松井三郎京大名誉教授(環境工学)は「数値を見れば安心できる処理方法だ。微生物を使い自然環境に戻すという点も理にかなっている」と述べた。
 佐藤勇市長は「焼却への市民の反発は根強い。堆肥化を視野に入れながら今後の方針を検討する」と話した。試験焼却の可否については12月の市町村長会議の日程を考慮しつつ結論を出すという。


2016年11月17日木曜日


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