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<釜石津波訴訟>市担当者「避難場所は周知」

 東日本大震災で、避難場所に指定されていない岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センターに逃げ込み津波の犠牲となったのは、市が本来の避難場所の周知を怠ったためなどとして、亡くなった女性2人の遺族がそれぞれ市に約9300万円と約9100万円の損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が17日、盛岡地裁であった。市の担当者は「本来の避難場所は十分周知していた」と述べた。2017年1月13日の次回口頭弁論で結審する予定。
 訴訟は(1)市が地区の1次避難場所が神社や寺の裏山であるとの周知を怠ったかどうか(2)震災前の避難訓練でセンターが避難場所として利用されたか−などが争点。
 市危機管理監は「本来の1次避難場所は毎年の避難訓練や全戸に配る生活情報誌で周知していた」と主張。訓練でのセンター使用については「地区の自主防災組織から『本来の避難場所は知っているが、寒さで参加者が集まらないのでセンターを使いたい』と頼まれて許可した」と説明した。
 母親=当時(71)=を亡くした原告の男性は「1次避難場所を知らせる冊子が配布された記憶はない。名称から避難場所と思い込み母とセンターに逃げ込んだが、職員も神社や寺の裏山への避難を促さず『2階へどうぞ』と誘導していた」と述べた。
 訴えによると、市は避難場所ではない建物に「防災センター」の名称を付けて避難場所と誤信させ、本来の1次避難場所の周知を怠ったとされる。


2016年11月18日金曜日


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