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<仙台殺人未遂>専門家警鐘「孤立防ぐ対策を」

 難病の三男(1)の将来を悲観し、母親(41)=仙台市泉区=が命を奪おうとした殺人未遂事件は、24時間、365日看病に追われる家族の苦境を浮き彫りにした。精神的に追い詰められる前に打つ手はなかったのか。専門家は「悩みを抱えた家族を孤立させてはいけない」と警鐘を鳴らす。
 難病の子どもと家族を支援するNPO法人「難病のこども支援全国ネットワーク」(東京)の小林信秋会長は「ソーシャルワーカーや同じ立場の親同士が支え合う組織は全国にあるが、周知が足りない」と指摘する。
 三男の病名は明らかになっていないが、内科系の遺伝性の難病とされる。小林会長は「認定遺伝カウンセラー」の存在を挙げ、「医療従事者らが、遺伝性の難病の治療を必要とする患者の家族と専門家をつなぐ仕組みを充実させるべきだ」と強調する。
 厚生労働相が指定する難病は306疾病ある。一部の難病を含む小児慢性特定疾病は704に上り、これら特定疾病の医療費助成の受給者は全国に推計約15万人、宮城県内に約2700人いる。
 県と仙台市はそれぞれ難病患者らの相談窓口を開設しているほか、県と市共同で2015年1月、青葉区の東北大病院に「小慢さぽーとせんたー」を設け、支援の充実を図っている。
 母親は三男と同じ難病で約10年前に次男を亡くした。仙台白百合女子大(泉区)の大坂純教授(社会福祉学)は「母親は病気のリスクを知っていた。(殺そうとした)行為は決して許されないが、簡単には責められない。専門家が手厚く支援し、孤立させないことが重要だ」と社会的支援の必要性を強調する。


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2016年11月19日土曜日


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