広域のニュース

<絆つないで>待たれる夜間閉鎖解除

通年通行開始に向けた道路拡幅に伴い、舗装工事が急ピッチで進む国道347号

 宮城、山形両県を結ぶ国道347号のうち、宮城県加美町と山形県尾花沢市境の鍋越峠を挟む17.7キロ区間の冬季閉鎖が今冬解消され、通年通行が実現する。冬季の通行可能時間は午前7時から午後7時までと制限付きながら、横軸交流の厚みは格段に増す。地域経済の活性化や防災面での連携強化に期待が高まる。(新庄支局・菅野俊太郎、加美支局・馬場崇)

◎国道347号通年通行(下)次へ

 今冬からの国道347号の通年通行には、「冬季は午後7時〜翌午前7時に通行止め」という制約が付く。宮城、山形両県の企業へのアンケートに加え、積雪や吹雪、雪崩への安全対策を考慮した結果だ。

<データ積み重ね>
 次の課題は夜間時間帯を含めた完全通年通行の実現。そのためには「データの積み重ねが欠かせない」(宮城県土木部)。道路を管理する両県は今後、気象観測装置やライブカメラを配備し、冬季の気象データを集め、完全通年通行を目指す。
 除雪を巡って、生活への影響を心配する住民がいる。これまでは347号が閉鎖されていたため、沿道の住民は車道に出て除雪作業をしてきた。しかし、今後は347号の除雪によって道路脇に雪がうずたかく積まれ、自宅への出入り口や歩道が埋まる心配があるからだ。
 県境の鍋越峠に程近い宮城県加美町漆沢地区に住む70代の男性は「車道の除雪が徹底されるほど、住民の負担が大きくなる。住民生活を守るための除雪にも配慮してほしい」と求める。
 携帯電話の不通区域の解消も課題の一つだ。自治体の要望活動を受け、携帯大手3社のうち2社がアンテナを設ける。
 だが、アンテナを設置しても、不通状態が完全に解消されるわけではない。加美町の担当者は「実際にアンテナの運用が始まらないと、詳細な不通区域は分からない」と不安視する。
 そのため、両県は県境付近で1キロごとに緊急時用の非常電話を設置。警察か消防を選んで通報できるようにする。両県は除雪車を配備し、緊急車両を先導する態勢も整える方針だ。

<「第5の横軸」に>
 2011年3月の東日本大震災時は、冬季閉鎖の真っただ中だった。
 陸上自衛隊第6師団司令部(東根市)は宮城県北の救援活動に当たった。震災翌日、国道48号を通って仙台方面へ行き、そこから国道4号を北上し、宮城県南三陸町などへ向かった。
 「通年通行の実現で、347号も経路として使えるようになり、部隊を速やかに派遣できる」と同司令部の担当者は歓迎する。
 だが、いつ発生するか分からない災害に備えるためにはやはり、完全通年通行が必要不可欠だ。
 尾花沢市の加藤国洋市長は「冬季のデータを積み重ねた上で、少しでも早く夜間を含めた通年通行が実現するよう両県に働き掛けたい」と言う。
 宮城、山形を結ぶ横断軸は、北から順に、大崎、新庄、酒田の各市を通る国道47号、仙台と山形両市を結ぶ国道48号、山形自動車道、白石市や南陽市を経由する国道113号がある。
 347号は、47号と48号の間を走る5本目のルートだが、残る冬季の夜間通行が可能になってこそ、真の意味で「第5の横軸」になる。


関連ページ: 広域 社会

2016年11月19日土曜日


先頭に戻る