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<手腕点検>かじ取り 慎重さに評価

大郷町交通安全大会で、上空の県警ヘリに手を振る赤間町長(中央)=13日、大郷町大松沢

◎2016宮城の市町村長(17)大郷町 赤間正幸町長

 「無理はしない」「着実に、確実に」。大郷町の赤間正幸町長(67)は口癖のように使う。
 2009年の町長就任以降、慎重な町政運営を心掛ける。町議時代からの政治経験は30年以上。争いを避けつつ議論を重ねる手法は議会からも評価の声が上がるが、少子高齢化が加速する町の衰退傾向に「停滞を打破してほしい」と訴える住民も多い。

<郡内埋没に不安>
 「町に若い人がいない。人口対策をどうするのか」「特産品のPRが下手」「誘致しようとしている大型放射光施設は安全なのか」
 町議会に女性議員がいないことを受け、町が10月17日に開催した「大郷町女性100人議会」。質問に立った女性「議員」50人は町に厳しい意見をぶつけた。
 参加した60代女性は「富谷が市になり、大和町、大衡村は企業誘致で活気づく。黒川郡内で大郷が取り残された感がある。質問は危機感の表れ」と訴えた。
 町は苦境にある。1955年に1万3140だった人口は今年9月末現在で8391。2060年には4168人になると予測される。高齢化率も15年度末で県平均の25.6%を上回る32.4%。少子高齢化、人口減対策は待ったなしだ。
 町が活性化の切り札と期待する大型放射光施設誘致の議論は一進一退が続き、先が見通せない。赤間町長は子育て支援や若者の定住促進を重点施策に据え、医療費助成の18歳までの拡大や保育所の預かり時間延長などを実現した。

<前町政を教訓に>
 だが、住民の間では「対応がいつも後手」との不満がくすぶる。「いろいろな声があるのは承知している」と赤間町長。その慎重姿勢には前町政の影響がある。
 トップダウンで政策を次々と打ち出した前町政は第三セクターによる補助金不正受給事件を引き起こし、混乱をもたらした。赤間町長は、前町政を「失政」と断じて町長選の激戦を制した。「それだけに余計に慎重にならざるを得ない」と後援会幹部は解説する。
 町内のNPO法人「みやぎまちづくりセンター」の渡辺健一郎事務局長(68)は「前町政は町外から何かを持ってくるやり方。現町長は町内での掘り起こしを進めてはどうか」と提案する。当選6回のベテラン千葉勇治町議(66)は「住民生活を支える施策は評価できる。今後はもっと町の将来像やビジョンを町長自身の言葉で住民に示してほしい」と呼び掛ける。
 「企業誘致は必要だが、大郷の基幹産業は農業。農業を守り、若者の定住促進などを強化していけば町は持続的に発展できる」と力説する赤間町長。残り1年を切った2期目の任期。くすぶる住民不満をどうくみ取り、政策に反映していくか。実行力が問われている。(泉支局・北條哲広)


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2016年11月20日日曜日


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