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<里浜写景>初冬彩るホームの柿のれん

ホームにつるされた干し柿が三陸の浜に初冬の訪れを告げる
ホームを干し柿の鮮やかなのれんで染める=11月7日、大船渡市三陸町の三陸鉄道南リアス線三陸駅

 朝日を浴び、だいだい色ののれんが鮮やかさを増す。「ゴトッ、ゴトッ」。高校生らを乗せた1両編成の列車が、ゆっくりと動きだした。
 岩手県大船渡市三陸町の三陸鉄道三陸駅。11月に入ると、ホームに柿がつるされる。特産の「ころ柿」で三鉄を活性化しようと、20年ほど前に始まった初冬の風物詩。東日本大震災で鉄路が被災し中断したが、2013年の運転再開後に復活した。
 約3000個の柿は、住民らが半日がかりで皮をむく。専用の器具やナイフを手際よく操る熟練の技だ。かつて、ころ柿ののれんはあちこちの家庭で見られたが、食生活の変化などからめっきり減ってきた。
 「今年も頑張っているよ、というところを見せないとね。どんどん寂しくなるばかりだから」。過疎が進む浜の小さな駅で、住民の一人、古水たまさん(63)は力を込めた。
(文:大船渡支局・坂井直人 写真:写真部・伊深剛)

[メモ]三陸駅のころ柿作りは大船渡市観光物産協会の主催。ホームに1カ月程度つるした後、12月中旬ごろから駅に隣接の三陸町観光センターなどで提供する予定。雨が当たらず、風通しがいいホームは干し柿に好条件だという。センターは「柿には触らないで観賞してほしい」と呼び掛けている。


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2016年11月20日日曜日


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