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<福島第1>燃料デブリ、レーザーで表面溶融

国際廃炉研究開発機構と東芝が開発したレーザー装置。ノズルから水とレーザーを出して金属塊の表面を溶かす(IRID提供)

 東京電力福島第1原発の廃炉作業で最大の難関となる溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け、国際廃炉研究開発機構(IRID)と東芝は、特殊なノズルから噴射した水流の中にレーザーを通し、デブリに照射して表面を溶かす技術を開発した。
 事故時に運転中だった1〜3号機では、炉心にあった核燃料がデブリとなって原子炉格納容器の底などにたまっているとみられる。東電は冷却のため注水を続けており、一部は水に漬かっている可能性が高い。
 デブリの具体的な形や位置は不明だが、燃料のウランや、燃料を覆っていたジルコニウム合金などが混ざって固まっているため非常に硬く、周囲の構造物の金属に付着したり、コンクリートに食い込んだりしているとみられる。このため、さまざまな形態のデブリを分割して、取り出せる大きさにする技術が必要とされていた。
 新たに開発した技術は、ノズルから噴射した水の中をレーザーが通る仕組み。レーザーは通常、水中では反射したり拡散したりして弱まってしまうが、特殊なノズルで水流を調整することで、それを抑えた。
 ノズルから4センチの距離なら二千数百度の高温でレーザーを照射できる上、噴射されたきれいな水流の中をレーザーが通るので、濁った水の中でも空気中と同様の能力が発揮できるという。IRIDなどが空気中と水中の両方で行った実験では、酸化ジルコニウム(融点約2700度)などで作ったデブリに見立てた金属塊の表面を溶かし、削り取ることができた。
 IRIDや東芝は「デブリがどこまで水に漬かっているのか分かっておらず、厚さや形状も不明だが、レーザーで少しずつ表面を削っていくことで、取り出しが可能な状態にすることができる」と期待する。
 ただ現状では、金属表面がレーザーで溶かされた後、水流で冷えて固まり、細かな粒になって飛散してしまうため、それを回収する技術の開発が課題だ。来年度以降、実用化に向けシステム設計を進めるという。


2016年11月20日日曜日


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