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<この人このまち>個性尊重 社会参加促す

藤原芳子(ふじわら・よしこ)1959年秋田市生まれ。民間で働きながら、通信制の東北福祉大大学院修了。2011年「ごろりんはうす」の運営母体のNPO法人あきた福祉共生会を設立。

 秋田市山王で精神障害者支援施設「ごろりんはうす」を運営する藤原芳子さん(57)は、統合失調症を抱えながら社会参加を目指す人たちの就職支援に取り組む。利用者一人一人と向き合い、個性を発揮できる仕事や生きる道を共に探している。(秋田総局・今愛理香)

◎精神障害者支援施設「ごろりんはうす」理事長 藤原芳子さん

 −「ごろりんはうす」を始めたきっかけは。
 「東北福祉大の学生時代、研修で訪れた能代市の精神障害者就労支援施設で、偏見により就職できない利用者が多くいる現状を知ったことです。意欲はあっても働く場がなく、『どうやって生きていくんだ』と葛藤する姿を見て、黙っていられませんでした」

 −利用者はどんな活動をしていますか。
 「絵画や手芸、電子書籍の漫画の制作などです。精神障害があっても、絵を描くのがうまかったり、電子書籍化に必要なパソコンの知識が豊富だったりと、それぞれ特技があります。それらを生かせる仕事がないかと模索しています」
 「自分で考えて作ったものが売れたら、彼らの自信になります。その経験を積み重ねることが、社会参加の第一歩となるんです」

 −事業は順調でしたか。
 「経営に関しては素人だったため、当初は利用者が全く集まりませんでした。知人の誘いで参加した経営者の集まりでアドバイスをもらい、積極的に周知活動をしました。今は約50人が通っています」

 −今年5月には利用者が店員となるカフェも開店しました。
 「初めは自分から声を出すことも難しかった彼らが、コーヒーを入れて接客できるようになりました。成長が目に見えて、うれしいです」

 −精神障害者に対する周辺の理解は。
 「まだまだ深まっていません。就職を希望しても、精神疾患があると分かると採用してもらえないのが現状です」
 「現在の施設が手狭になり新しい物件を探した際も、『精神障害者の施設』と話すと、多くの物件で断られました。ビルの一室を借りるにも、『他のテナント全てに承諾をもらってくれ』と言われ、見つかるまでに1年もかかりました」

 −活動を通して思うことは。
 「居場所を見つけられず、どん底まで苦しんだ彼らと共に生きることは意義があることです。私の使命だと思っています。さまざまな分野の人たちとのつながりを大事にしながら、助け合っていきたいです」


関連ページ: 秋田 社会

2016年11月21日月曜日


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