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<大川小>遺族「悲劇繰り返してはいけない」

被災した大川小校舎前で、県議たちに命の大切さを伝える佐藤さん(手前左)

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった宮城県石巻市大川小で、6年生の次女を失った佐藤敏郎さん(53)が21日、超党派の県議たちに語り部をした。元教員の佐藤さんは「二度と繰り返してはいけない」と何度も訴えた。
 佐藤さんは、震災直後の大川小と周辺が水に漬かる写真をみやぎ県民の声、共産党県議団、公明党県議団の3会派12人に示し訴えた。「これはこの世の終わりではない。始まりです」
 次女のみずほさん=当時(12)=らは地震発生後の約45分間、校庭で待機を命じられ、近くの北上川堤防付近(三角地帯)に向かう途中で津波にのまれた。
 佐藤さんは昨年3月に教員を辞めた。児童23人の19遺族が市と県に損害賠償を求めた訴訟には加わらず、語り部や講演で命の大切さを訴える。「生きたかった子どもたちの後悔、使命を果たせなかった先生たちの無念さと向き合わなければいけない」と強調する。
 大川小津波訴訟で10月の仙台地裁判決は「堤防付近への避難は不適当だった」と学校の責任を認めたが、市と県は判決を不服として控訴、遺族も控訴した。
 佐藤さんは「市も県もあの状況では子どもの命を守らなくていいと言っているようなもの。多くの先生は責任を自覚し、新たな覚悟を持っている」と指摘した。
 県は25日開会の県議会11月定例会に、控訴した専決処分の承認を求める議案を提出する。みやぎ県民の声の坂下賢氏(石巻・牡鹿選挙区)は「早く控訴を取り下げ、遺族と県、市が向き合うことが必要。より良い方向に導くことが私たちの使命だ」と述べた。


2016年11月22日火曜日


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