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<福島沖地震>沿岸部企業で一時避難

津波警報を受けて屋上に避難するキリンビール仙台工場の従業員=22日午前8時45分ごろ、仙台市宮城野区(同工場提供)

 福島県沖を震源とする22日早朝の地震で宮城、福島両県に津波警報が発令され、沿岸部で稼働中の工場は従業員が一時避難するなどの対応を迫られた。大きな混乱はほとんどなく、東日本大震災の教訓を生かし、身の安全を確保した。
 津波の高さが最大の140センチを観測した仙台市宮城野区の仙台港周辺には、工場や物流拠点が集積する。市の津波避難ビルに指定されているキリンビール仙台工場では午前6時2分の津波注意報発令後、近くの工事現場の作業員約5人を受け入れた。構内にいた従業員259人も事務所屋上などに避難した。
 総務広報担当部の越智雄次郎部長は「震災を経験しているのでパニックにはならなかった。(午前8時9分の)津波警報から20分程度で従業員全員が避難できた」と話した。同工場は午前11時に操業を再開した。
 同じく市の緊急避難場所になっている総合物流大手センコー(大阪市)の仙台港PDセンターでは、社員ら約50人がセンター2階に退避。近隣の木材会社社員5人も身を寄せた。
 仙台港に面する日鉄住金建材仙台製造所では、従業員ら127人が敷地内の津波避難タワーに避難した。天野輝彦管理グループ長は「従業員は落ち着いていた。タワーから海の様子は見えないので、140センチもの津波が来たと知り、びっくりした」と話した。
 相馬市の相馬港では90センチの津波を観測した。港から約700メートル内陸にある樹脂製造会社ローム・アンド・ハース・ジャパン相馬工場では、地震発生直後に生産ラインを停止。夜勤者8人が工場最上階の5階に避難した。
 同工場では、津波警報発令時は内陸の指定場所に避難する決まりになっている。立谷重巳工場長(52)は「『津波がすぐ来る』という内容の警報だった。海から近く、避難のために外に出るのはかえって危険と判断した」と語った。


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2016年11月23日水曜日


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