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<福島沖地震>カキ養殖 復興の海無事

海中から養殖ロープを引き上げて、カキの状況を確認する畠山さん=23日午前9時15分ごろ、気仙沼市唐桑町の鮪立湾

 福島県沖を震源とする22日の地震で津波が観測された宮城県沿岸では23日、漁業者が早朝から海に繰り出し、養殖施設の様子を確かめた。カキやノリは出荷の最盛期。被害の詳細はまだつかめず、浜には不安も漂う。東松島市と気仙沼市で漁業者の作業を取材した。
 気仙沼市唐桑町の鮪立(しびたち)湾では、養殖漁業者の畠山政也さん(32)が船を出し、カキの養殖施設を見回った。年末の需要期に向け、これから出荷のピークを迎える。心配された津波の影響はみられず、胸をなで下ろしながら作業した。
 午前8時に宿舞根(しゅくもうね)漁港を出港。ホタテの稚貝を海中につるす作業を済ませ、港から約1.5キロの養殖施設に向かった。海中からロープを引き上げると、手のひら大のカキが数珠つなぎになって現れた。
 「養殖施設が動いていないし、海の中のロープも絡まっていない」。表情が和らぐ。小さな津波でも海の中をかき混ぜ、ロープ同士が絡まる場合があり、気をもんでいた。
 養殖業は東日本大震災による施設全壊から立ち直った。畠山さんは2013年から家業を手伝う。自慢のカキは、海藻駆除のため70度の湯に漬ける温湯(おんとう)処理を施し、養分を行き渡らせて大粒に育て上げる。
 今年は8月の台風襲来で施設に被害があった。今回の津波でも、外洋に面した施設の数台が引きずられたと聞いたが、被害は限定的になりそうだ。
 「自然相手だから仕方ないが、もう被害がないように。クリーミーで塩分のバランスが良いカキを、多くの人に食べてほしいから」
(気仙沼総局・高橋鉄男)


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2016年11月24日木曜日


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