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<野蒜小津波訴訟>津波情報得られた可能性も

 東日本大震災で宮城県東松島市野蒜小体育館に避難した後、津波で亡くなった女性=当時(86)=と同小3年の女児=同(9)=の遺族が、学校設置者の市に計約4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、当時の男性教務主任らに対する証人尋問が24日、仙台高裁であり、体育館内で津波情報の収集が可能だったことが明らかになった。高裁は2017年2月2日に結審する方針。
 教務主任は住民の避難前にラジオとスピーカーを体育館内に設置し、地震に関する放送を確認したが、津波情報は「聞こえなかった」と述べた。津波襲来直前、携帯電話のネット情報で大津波警報を知ったことにも触れ、「体育館で3、4回、マイクで避難住民に伝えた。(校舎に避難させる)余裕はなかった」と証言した。
 市側はこれまで「ラジオなどは停電で使用できず、教職員らが津波に関する情報を集めるのは困難だった」と主張していた。
 訴訟対象の当時86歳の女性の孫で、共に野蒜小に避難したという女性は「学校に向かう途中、カーナビで津波情報を得た。(3階建ての)校舎に避難しようとしたが、校長に体育館へ誘導された」と語った。
 今年3月の仙台地裁判決は、担任教諭から同級生の親に引き渡された後に自宅付近で亡くなった女児の遺族の請求を認める一方、体育館内で死亡した高齢女性2人に関する請求を棄却。当時86歳の女性の遺族と市がそれぞれ控訴した。


2016年11月25日金曜日


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