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<むすび塾>愛知で被災遺族らの体験聞く会

来場者を前に震災の被災体験を語った(左から)平山さん、伊藤さん、田村さん=24日、愛知県碧南市の碧南商工会議所ホール

 防災・減災キャンペーン「いのちと地域を守る」に取り組む河北新報社は24日、中日新聞社(名古屋市)との共催で「東日本大震災を忘れない−被災体験を聞く会」を愛知県碧南市で開いた。市民ら約130人が参加。震災で家族を失った宮城県などの遺族ら3人が当時の経験と教訓を語り、南海トラフ巨大地震が想定される地域で備えの大切さを訴えた。

 大崎市の田村弘美さん(54)は、七十七銀行女川支店(宮城県女川町)に勤めていた長男=当時(25)=を含む行員12人が津波の犠牲になった経緯について「支店長の指示で支店の目の前にある山ではなく支店屋上に避難し、津波にのまれた」と指摘。「検証しないと同じことが繰り返される。企業は人命を最優先にしてほしい」と述べた。
 東松島市職員の伊藤健人さん(23)は、津波で同市大曲浜地区にあった自宅が全壊し、母と末弟=当時(5)=、祖父母の4人を失った。残された家族が心に傷を負ったことなどに言及し「震災は終わっていない。年1回は被災地を思い出し、自分の身に置き換えて考えてほしい」と語った。
 震災時、日鉄住金建材仙台製造所(仙台市宮城野区)所長だった平山憲司さん(56)=現野木製造所(栃木県)所長=は、仙台港に面した工場が津波に襲われた体験を話した。工場1階が水没したが、所内にいた従業員76人全員が敷地内の築山に登り助かった。「日頃の訓練と避難マニュアルの成果が表れた」と話した。
 講演した3人は、河北新報社と中日新聞社が碧南市の臨海工業地帯で25日開く防災・減災の巡回ワークショップ「むすび塾」にも参加する。


2016年11月25日金曜日


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