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<宮城県議会>信頼回復へ新議長に求めるもの

遊佐勘左衛門氏
河村和徳氏

 政務活動費(政活費)の不正を巡り、議長が2代続けて引責辞任に追い込まれた宮城県議会。25日開会の11月定例会で、中島源陽氏(54)が新議長に選出された。地に落ちた信頼の回復に向け、果たすべき役割とは何か。議会改革に詳しい2氏に聞いた。

◎原点に返り意識改革を/遊佐勘左衛門氏(70)元宮城県議、元県代表監査委員 

 1991年から宮城県議を3期務めた。ゼネコン汚職や食糧費問題などで県や議会に厳しい視線が向けられ、会派の分裂などもあった。浅野史郎前知事と切磋琢磨(せっさたくま)するように議員提案などに力を注いだ結果、「全国一の改革議会」と呼ばれるまでになった。
 権威と信頼が完全に失墜したことは、残念でならない。議会改革とは県民に責任を果たすためにシステムを変えることで、一連の政活費問題は議会改革以前のレベルの話。「自分たちの使命は何か」という原点に返る意識改革が必要だ。
 県代表監査委員も2期やり、食糧費やカラ出張問題を経て県職員の意識が大きく変わったと感じた。一方の議会が政活費を不透明に使っては、職員の行政運営のチェックなどできない。
 新議長は目指す議会の共通目標を掲げ、会派を超えて努力することだ。目標に向かって進み続けることができれば問題は起きない。当時の改革は不祥事の後だからこそ進められた。今の議員たちも危機感をバネに再生に取り組んでほしい。

◎内部監視の強化が必要/河村和徳氏(45)東北大大学院准教授(政治学)

 議長が2代続けて政活費の不祥事で辞任したのは、全国でも珍しい。県民は市議の辞職が相次いだ富山市民と同じように、全国から「あんな議員を選んでいるのか」と見られている。
 領収書を不正に使うやり方はバブル時代の発想で、現在の民間企業の感覚を取り入れる必要がある。良識に頼る性善説を捨て、「不正を行うかもしれない」という性悪説を前提に制度を構築するしかない。
 県議会は領収書のインターネット公開を決めたが外部からの監視が働く環境を整えるだけでは不十分。内部からも監視が働く仕組みづくりが欠かせない。
 具体的には政活費を使う際の発注や支払いなどの事務を、全て議会事務局に任せることだ。職員を増やし、法律の専門家も入れてチェック機能を強化する。使い方の手引きも議員間で解釈が異なるようではいけない。誰もが納得できる内容に見直す必要がある。
 信頼回復には、新議長によるリーダーシップの発揮が大きな鍵になる。全国の改革事例を学ぶべきだ。


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2016年11月26日土曜日


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