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文化的価値か安全か 仙台の橋の欄干高さ物議

高さが安全基準に満たない大橋の欄干脇を通る自転車
市が示した手すり設置後のイメージ。A案は円形の棒状(上)、B案は角形となっている(下)

 仙台市青葉区の広瀬川に架かる「大橋」の欄干が基準の高さに足りず、手すりを付けてかさ上げする構想が浮上している。かさ上げは仙台の代表的な橋の現状変更につながりかねないとの指摘もあり、橋の文化財的な価値と安全のどちらに重きを置くかで議論を呼びそうだ。

 大橋は1938年に完成した鉄筋コンクリートのアーチ橋で長さ約116メートル、幅約11メートル。江戸時代は仙台城大手門と城下町を結んだ由緒ある橋で、多くの観光客が橋上から広瀬川を眺めている。
 問題の欄干の高さは90センチ。国が86年に定めた橋の防護策設置基準(1メートル10センチ)に20センチ満たず、管理する市は重心の高い自転車の転落事故を懸念している。欄干の脇の歩道は自転車走行が禁じられているが、車道や路側帯が狭いため、自転車の大半が歩道を通っているのが実情だ。
 市は10月の有識者懇話会で、鉄製の手すりを欄干に乗せた2パターンのイメージ図を提示。出席者からは「広瀬川の眺めを遮ることにならないか」「文化財的な価値があるか、検証すべきだ」との意見が出た。
 大橋と同様の問題を抱えた全国の橋の中には、欄干の高さを変えなかったケースもある。信濃川をまたぐ新潟市の万代(ばんだい)橋は大橋より低い高さ85センチだが、2003年に国が改修を計画すると市民から「景観が損なわれる」と反対の声が上がった。
 市民と市、国はワークショップで対話を重ねた末、欄干の現状維持を選んだ。万代橋は04年、国の重要文化財に指定された。
 仙台市は大橋の耐震補強工事を17年度まで実施中で、欄干を改修するなら今が好機とみている。市道路保全課の担当者は「市民の意見を聞き、市を代表する橋にふさわしい方向性を示したい」と話している。


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2016年11月26日土曜日


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