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<全町避難>富岡に大型店 住民帰還後押し

 福島県富岡町に25日、公設民営の複合商業施設「さくらモールとみおか」がオープンした。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の解除が徐々に進む中、大型店の開業は「住民帰還を後押しする」と、周辺自治体も期待を寄せている。

 「村民の利便性は高まり、帰村率も上がるだろう。日常が少しずつ戻ってくる」。富岡町に隣接する川内村の小松正方産業振興課長はこう語る。
 村の避難指示は6月に解消された。ただ買い物環境などが整わず、帰村率は68%。村は3月、コンビニエンスストアを核にした商業施設を開設したが「品ぞろえが課題」(小松課長)といい、車で1時間以上かけ、いわき市に出向く村民もいるという。
 富岡町には事故前、県などの出先機関が集中。今回の複合商業施設に入るホームセンター(HC)やスーパーなども東日本大震災前から立地し、南双葉地域の暮らしを支えていた。
 さくらモールとみおかは震災後、双葉郡内にできた商業施設では最大規模。富岡町の菅野利行産業振興課長は「富岡だけの復興ではない。個人商店も大切だが、大手が出店することで周辺から人が集まり、住民の選択の幅がより広がる」と波及効果を強調する。
 主要テナントでHCのダイユーエイト(福島市)の浅倉俊一社長は「(必要な商業人口は)最低でも1万5000。周辺の楢葉町や広野町の住民、作業員の利用に期待する」と語る。
 2015年9月に避難指示が解除された楢葉町。現在あるのは仮設商業施設で、町は18年春の開業を目指し、公設商業施設を整備する。スーパーや地元商店など10店程度が入る予定だ。
 楢葉町新産業創造室は「原発事故前、富岡のスーパーやホームセンターは楢葉町民も利用していた。(今回のオープンで)利便性が高まることは町民の帰還にプラスになる」と指摘。地元に整備する施設に関しては「出店は地元業者が中心で、身近な買い物や交流の場となる。町民が利用しやすいようにし、集客力を高めたい」と説明する。
 富岡町北隣の大熊町は住民の帰還見通しは立っていないが、町は18年度を目標に、復興拠点の大川原地区に居住環境を整える方針。町商工会の田崎貞夫事務局長は「双葉郡のマーケットが再び形成されることを、前向きに捉える大熊町民は多いと思う」と語った。


2016年11月26日土曜日


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