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閖上再生、シラス漁に活路 新たな収入源に期待

真剣な表情でシラス漁の網をたぐる小斎さん=26日正午ごろ、名取市の閖上沖

 東日本大震災で被災した名取市閖上地区の沖合で初めてシラス漁ができることになり、閖上漁港所属の「第18広漁丸」(4.9トン、2人乗り組み)が26日、試験的に網を入れた。震災後、特産のアカガイ漁が貝毒で振るわず、他の漁業もできるようにと宮城県が許可した。同地区にはちりめんじゃこなどを作る水産加工団地が完成しており、関係者は操業開始で地区全体が潤うことを期待している。
 シラスの北限は福島県沖とされ、宮城県内ではこれまで漁が行われてこなかった。県が許可した操業期間は毎年7月1日〜11月30日。26日は広漁丸船長の小斎力男さん(63)らが閖上沖に出て、網の入れ方や魚群探知機の見方などを確認した。シラスも約1キロ水揚げできた。
 シラスは漁港近くの加工場に運ばれ、生のほか釜ゆでして味を確かめた。試食した一人は「生シラスは驚くほどのおいしさ。これは名物になる」と喜んだ。
 閖上の漁業者は震災前から、アカガイ漁で生計を立てていた。震災で海底状況が変化したためか、毎年のように貝毒が出るようになった。一度確認されると出荷が自主規制や自粛されるため、1カ月を棒に振ることも。新たな収入の柱としてシラス漁許可を申請し、今月4日に認められた。
 閖上地区では5月に完成した水産加工団地で、3社がちりめんじゃこを生産している。小斎さんは「閖上沖にシラスがいることは分かった。シラス漁船が増え、加工業者も含めて閖上全体が活気づくようになればいい」と今後に期待した。
 閖上漁港ではもう1隻、シラス漁の許可を申請する予定。県内では山元町でも1隻がシラス漁の許可を受けた。


2016年11月27日日曜日


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