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<里浜写景>冷え込む朝 入り江覆う気嵐

朝日を浴び、黄金色に染まる気嵐。幻想的な雰囲気の中、組み立て中の大島架橋を眺めるようにフェリーが走る
建設が進む大島架橋やフェリーを包み込む「け嵐」=宮城県気仙沼市の気仙沼湾

 冷え込んだ11月半ばの早朝、宮城県気仙沼市の気仙沼湾を深い霧が包んだ。まるで雲の間を縫うかのように、市中心部と離島の大島を結ぶ定期航路のフェリーが走っていく。
 湯気のように立ち込めた霧は「気嵐(けあらし)」。放射冷却で冷やされた陸上の空気が暖かい海上などに流れ出し、水面の水蒸気を冷やすことで起こる現象だ。
 入り江が深く、波が穏やかな気仙沼湾は、気嵐が発生しやすい。「まるで雲海を進んでいるような気分。幻想的で、冬が来たって感じるね」と大島汽船の千葉信弘さん(58)。船乗りになって40年のベテラン船長だ。
 島と本土をつなぐ大島架橋の工事が進む。中心部分のアーチ橋は完成が近い。「特等席からの眺めも、間もなく見納めだね」と千葉さん。橋の開通に合わせ、大島航路は100年を超える歴史に幕を下ろす。(文と写真 写真部・庄子徳通)

[メモ]大島架橋事業は2013年1月に着工。アーチの中に橋桁を渡す中路アーチ橋は全長356メートルと東日本で最長。中心部は17年3月、大型クレーン船でつり上げ、島と本土の間に敷設する予定。道路を含む全長8キロの架橋事業は19年春に完成の見込み。


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2016年11月27日日曜日


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