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陸前高田の文化財復活 修復資料集め展示会

修復された昆虫標本(手前)と被災した標本を見比べる市民ら

 東日本大震災で市立博物館などの文化施設が全壊した陸前高田市で26日、再生した資料などを集めた展示会「ずっと ずっと ふるさと陸前高田ー心に生きる『たからもの』」が始まった。津波で海水に漬かった文化財の再生は震災前は例がなかったとされる試み。訪れた人たちは資料を懐かしみながら、泥の除去や除菌、脱塩処理、修復といった試行錯誤の成果に見入った。
 博物館は再建されておらず、市コミュニティホール会議室を会場とした。昆虫標本や古文書をはじめ、国の登録有形民俗文化財の漁具、庶民の娯楽だった「高田歌舞伎」の衣装など約100点を展示している。12月5日まで。無料。
 市立博物館所蔵品の99.9%は市民からの寄贈。震災後も「新しい博物館に」と提供が相次いでおり、サンゴの化石など一部も今回披露された。
 市内四つの文化施設は全て被災したものの、収蔵展示品約56万点のうち約46万点を回収。岩手県立博物館、東京国立博物館など全国から支援を受け、これまでに約17万点が復活した。
 展示会は支援関係者でつくる実行委の主催。県内の博物館から展示ケースを借り、市内では震災後初めてとなる展示会が実現した。
 市立博物館の熊谷賢主任学芸員(50)は「将来の博物館再生に向けた第一歩。宝は失われていないことを市民に知ってほしい」と話した。


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2016年11月27日日曜日


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