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震災と原発事故 高校生渡米「事実伝えたい」

ゆがんだ道路標識や落下した体育館の照明などの震災遺産を見学する会津高生

 福島県会津若松市の会津高の1年生23人が来春、語学研修のため訪れる米国で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島の現状や復興状況を英語で発表報告する。生徒たちは当時の状況を物語る「震災遺産」に着目。生きた教材を目に焼き付け、何を伝えるべきかを探り始めた。
 避難所にあった「探し人」の張り紙、震災当日、高校生が寒さをしのぐために着た雨がっぱ、配達されなかった新聞の束…。語学研修に参加する生徒たちは今月10日、福島県内の震災遺産を保管する県立博物館(会津若松市)を訪れた。
 「物には想像力を働かせてくれる力がある。物を歴史と捉え、福島の現実を伝えるために残している」。ふくしま震災遺産保全プロジェクトの事務局を務める博物館の高橋満主任学芸員が説明する。生徒たちは遺産をしっかり見て、熱心にメモを取った。
 生徒23人は来年3月下旬に渡米。マサチューセッツ州ボストンの語学学校で5日間ほど学び、各国から集まる留学生を前に福島の現状や未来像を自らの言葉で発信する。
 同校は2015年度、県の「グローバルリーダー育成事業」の対象に指定された。生徒は地域課題の解決や福島の復興再生をテーマに学習に取り組む。震災遺産の見学会と米国研修も同事業の一環で、12月3日には福島第1原発の廃炉作業の拠点となってきたJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)などを訪れる。
 震災遺産を見学した佐野未有さん(16)は「何が起きたのか自分の目で理解できた。アメリカでは遠い福島の状況は想像できないと思う。何が大丈夫で何が問題なのか。今、自分がこうして福島で生活していることなど正確な事実を伝えたい」と話した。


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2016年11月28日月曜日


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