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<長沼案断念>事前合宿など誘致活動強化へ

模擬リレーで、聖火リレー出発地誘致をアピールした10月の石巻市のイベント。誘致関係団体からは、長沼での事前合宿の可能性が残ったことを生かすべきだとの声も聞かれた

 2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場見直しを巡り、宮城県登米市にある県長沼ボート場でのボート、カヌー競技の開催が見送られることが決まった29日、事前合宿誘致を目指す県内の自治体や関係者は結果を残念がった。ただ、長沼での事前合宿の可能性が残ったことから、誘致活動の追い風にしたいと前向きに捉える声もあった。
 事前合宿誘致に向け、イタリアとの相互交流を促進する「ホストタウン構想」のイベントを今月、初開催した仙台市。館圭輔文化観光局長は「県市長会として長沼への誘致強化を県に要望するなど、市も県と同じ方向を向いていた。被災地での競技開催が成就しなかった」と残念がる。
 先の戦争でつながりがある西太平洋の島国パラオに照準を合わせ、選手団の事前合宿の誘致を目指している蔵王町教委の森良光スポーツ振興課長は「県全体でもっと盛り上げていけばよかったのではないか。サッカーが利府町の宮城スタジアムで開催されるが、ムードがいまひとつで寂しい」と長沼見送りにもどかしさが募る。一緒に誘致する茨城県常陸大宮市と12月中に実務組織を設立し、年度内にパラオと基本合意を結びたいと運動を進める。
 仙台大(宮城県柴田町)を運営する朴沢学園の朴沢泰治理事長は「選手にとってはプレーしやすい環境だっただけに残念」と結果を受け止めた。
 仙台大は宮城県白石市、柴田町と事前合宿の招致を目指しており、当面の照準はベラルーシの新体操選手団。朴沢理事長は「東日本大震災の被災地で国際交流を図ることができる。本当の復興五輪となるよう、誘致活動にいっそう力を入れたい」と気を引き締めた。
 宮城県石巻市の民間団体などでつくる石巻市聖火リレー出発地・聖火台誘致委員会委員長の浅野亨石巻商工会議所会頭は「何が何でも聖火リレーの出発を石巻で実現できるように誘致活動を強化したい。東京五輪の旗印は復興五輪。それにふさわしい大会にしてほしい」と望む。
 登米市に隣接する栗原市は佐藤勇市長が29日からオーストラリアを訪問するなど、ホッケーの事前合宿誘致に力を入れている。競技関係者は長沼落選を悔しがる一方で、長沼が事前合宿地として活用される可能性が残ったことを歓迎した。
 宮城県ホッケー協会の山田健一副理事長(48)=宮城県栗原市=は「宮城にはボート本大会の会場があると言えれば、誘致に向けた強烈な口説き文句になっただけに残念」としつつも、「長沼が合宿地として認められれば、近隣自治体の大きなアピールになる。今回の騒動は『ネームバリューを上げた』と前向きに捉えたい。われわれの招致活動にも弾みをつける」と意気込んだ。


2016年11月30日水曜日


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