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<秋サケ>被災地で激減 今年も「海産親魚」

水揚げされた秋サケ。遡上数が過去最低ペースで採卵も苦戦を強いられている=南三陸町志津川

 宮城県南三陸町の志津川湾水系さけます増殖協会は29日、遡上(そじょう)数が激減している秋サケの種卵確保のため、海で取れたサケから卵を取ってふ化させる「海産親魚(しんぎょ)」を行うことを決めた。捕獲は12月3日から実施。海産親魚の導入は昨年に続き2回目となる。
 県漁協志津川支所と定置網漁の代表者らとの対策会議で方針を決めた。12月3〜17日のうち7日間の日程で、定置網に掛かったメスから卵を取り出し、ふ化率を高めるために素早く人工授精させる。
 協会によると、今年河川で取ったサケは29日現在で604尾と昨年同期比の6割で、確保した種卵は42万粒と半減した。40年前に町がふ化放流事業を本格化させて以来、最低の水準だ。
 東日本大震災でふ化場が被災し、放流数が震災前に比べ半減したことに加え、海水温が高く稚魚が放流後すぐに死滅したことが原因とみられる。協会は他の水系から360万粒買い足したものの、本年度の目標とする1000万尾の放流数には遠く及ばない。
 協会は今月19〜23日の5日間、漁業者に定置網の仕掛けを外して川への遡上を促す「網上げ」への協力を要請した。それでも遡上数が伸びなかったため、海産親魚の導入を提案した。
 県漁協志津川支所の佐々木憲雄運営委員長(69)は「これまでにない危機的状況だ。あらゆる手段を尽くしたい」と話した。


2016年11月30日水曜日


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