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<台風10号3カ月>被災住宅の冬越し不安

年内の入居完了に向けて工事が急ピッチで進む仮設住宅団地=29日午前11時20分ごろ、岩手県岩泉町岩泉

 岩手県内に甚大な被害をもたらした台風10号から30日で3カ月となる。被害が集中した岩泉町ではライフライン復旧や仮設住宅の整備が進む一方で、修理されていない被災住宅で暮らし続ける住民も多い。12月に入ると本格的な冷え込みや降雪が予想され、冬越しに不安が募る。町は寄付で集まった暖房器具の配布などの対応を急ぐ。
 同町では全壊または大規模半壊した計676戸のうち、231戸で573人が生活を続ける。
 再建や補修には国から最大300万円の被災者生活再建支援金が支給されるほか、町が最大200万円の独自支援策を打ち出した。それでも、工事業者の人手不足が影響し、家屋修理の遅れが目立つ。
 全壊判定を受けた自宅の2階で生活する岩泉地区の無職三上厚子さん(62)は「ストーブ1台とこたつでしのいでいるが、どうしても1階から冷え込む。夫は心臓に持病があるので心配です」と話す。
 安家(あっか)地区の無職大矢内サイ子さん(56)も被災住宅の2階で暮らす。「一晩で1メートル以上雪が降ることもある。仮復旧した集落の道路を除雪車が通れるかどうか」と不安を漏らす。
 町は12月4日、大規模半壊以上の家屋で生活する世帯を中心に、寄付で集まった450台以上の暖房器具の配布を始める。
 山間部の集落では、本来埋設してある簡易水道が応急復旧のため地上でむき出しのまま。凍結を防ぐため、断熱材を巻き付けるなどの対策を進めている。
 仮設住宅の整備は順調で、これまでに3団地94戸で入居が始まった。残る7団地129戸は年内の入居完了を目指す。
 28日に岩泉地区の仮設に入ったNPO職員米内山孝治さん(49)は「ようやく落ち着いた。岩泉の冬は厳しいので入居できてよかった」と笑顔を見せた。
 町内のライフラインは復旧が遅れた大沢地区の停電が9日に解消され、全てが復旧した。最大7カ所に677人いた避難者は29日現在、3カ所76人まで減った。生活再建への環境は次第に整いつつある。
 町台風災害復旧復興推進室の応家義政室長は「仮設入居が完了すれば本格復興が始まる。在宅避難者も保健師を派遣するなど手厚く支援し、まずは町民が無事に冬を乗り越えられるようにしたい」と話す。


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2016年11月30日水曜日


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