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<福島第1>廃炉8.2兆円 費用は電気料に転嫁

 経済産業省が東京電力福島第1原発の廃炉費用について、従来想定の約2兆円から約4倍に当たる8兆2千億円に拡大すると試算していることが29日、分かった。賠償や除染費用も増大し、事故処理費用は総額22兆6千億円となる。政府は巨額費用の負担による東電の経営危機を避けるため「廃炉の加速化」を名目に、新たに年数百億円程度を電気料金に上乗せし、東電を支援する方向で検討する。他の大手電力や電力小売りに参入した新電力も対象で、家計の負担は一段と重くなりそうだ。
 廃炉は溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)取り出しの工法が決まらないため費用の試算が難しく、これまでは数兆円規模で増えるとされていた。経産省は年間の費用が、現状の800億円から3千億円規模に増え、作業期間に30年を要するとの前提で試算した。
 賠償費用は想定の5兆4千億円から3兆円近く増え、8兆円になると試算。現在は東電と他の大手電力が負担しているが、増加分については新電力にも負担を求める。除染は2兆5千億円、中間貯蔵施設は1兆1千億円をそれぞれ見込んでいたが、計6兆4千億円に上振れするとした。
 廃炉費用は原則として東電が全額負担する計画だったが、巨額に上り、1社では担えないと判断。賠償費用と同様に、東電や大手電力が持つ送電線の利用料(託送料)に上乗せし、全国の新電力にも負担を求める。従来は東電管内の託送料にのみ転嫁する案を提示していたが、廃炉の加速化を国民的な課題と位置付け理解を求めたい方針だ。
 廃炉は最難関の燃料デブリの取り出し作業を2021年に始める予定。政府は積立金制度を新設し、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が東電の廃炉費用を管理する仕組みも検討している。


2016年11月30日水曜日


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