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<大槌旧庁舎>12月中に存廃判断

被災した岩手県大槌町の旧役場庁舎を巡り、町議会が開いた意見交換会

 東日本大震災で被災し、解体か保存かの議論が続く岩手県大槌町の旧役場庁舎を巡り、町議会の震災復興まちづくり特別委員会は30日、有識者3人と意見交換会を開いた。解体方針を掲げる平野公三町長は本年度内の実行を断念した。特別委は12月中に存廃判断を含む最終報告をまとめる。
 宮城県南三陸町出身の山内明美大正大准教授(歴史社会学)は、被災した同町の防災対策庁舎が2031年3月まで県有化となることを紹介。「被災後の感情が揺れ動く間は結論が出せず『保留』の選択をした。将来世代の命をどう守っていくのかが皆さんに託されている」と強調した。
 松本文夫東大総合研究博物館特任教授(建築学)は、復興に伴い町の景観が大きく変化していることを指摘。「記憶の継承には現場、物象が重要だ。旧庁舎は過去の大槌を大切にし、新しい文化を創るよりどころになる。壊さないという選択ができるのは現在の世代だけだ」と述べた。
 秋道智彌総合地球環境学研究所名誉教授(生態人類学)は「解体か保存かを性急に判断するのではなく、まずは町の将来像の議論をしてほしい」と求めた。
 議員からは「保留の選択肢があることに気付いた」との声があった。保存による町財政への影響、旧庁舎を見ると体調を崩す町民がいることへの懸念も出た。
 全13議員が参加する特別委の金崎悟朗委員長は「全員で改めて話し合う。解体、保存、保留のどれかに結論を一本化できない可能性もある」と語った。


2016年12月01日木曜日


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