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震災後小中生激減…Jrバンド存続の危機

練習するメンバーら。小中学生の新規加入が減った上、高校生の大半が学校の試験のため休み、空席が目立つ=気仙沼市水梨コミュニティーセンター

 東日本大震災を乗り越え活動している宮城県気仙沼市のジュニアジャズビッグバンド「スウィングドルフィンズ」が存続の危機に陥っている。震災後の人口流出などで主力メンバーとなる小中学生の新規加入者の確保が難しくなった。宮城県南三陸町や登米市など近隣からの参加も呼び掛け、活動の継続に懸命となっている。
 ドルフィンズは1993年、地元の愛好家らが小中学生に音楽を通じて社会性を養ってもらおうと設立し、無償で指導してきた。東北のジュニアジャズバンドの先駆けで、地元をはじめ東京ディズニーランドでのライブ、仙台市の定禅寺ストリートジャズフェスティバルに毎年出場。最大で約30人のメンバーを擁した。
 震災でメンバーの大半が被災した。自宅や楽器を津波に流され、練習場所を失った。日本の支援団体が米国のライブハウスからの寄付を使って楽器を寄贈。震災直後の2011年4月に活動を再開した。
 市内の避難所での演奏を通じて被災者を励ます活動などが評価され、今年11月に日本音楽著作権協会の第3回JASRAC音楽文化賞に選ばれた。
 一方、毎年5〜6人いた新規加入者はほぼ途絶えた。背景には震災後に市外へ移るなどして市内の児童生徒数が激減したことがある。気仙沼中教諭で運営委員会副会長の菅野敏夫さん(58)は「児童生徒の減少に加え、津波で家族を亡くしたり、親が職を失ったりして子どもが音楽に取り組む余裕がなくなったのかもしれない」とみる。
 ビッグバンドはトランペット、トロンボーン、ドラム、ピアノなど18人前後で構成。現在のメンバーは小学生5人、中学生3人に高校生やOBを加えた計20人でぎりぎりの状態だ。2017年春は就職や受験で高校生4人がバンドを卒業。再来春は残る高校生7人全員が去る見通しという。
 菅野さんは「多くの厚意に支えられ、音楽を続けてきた。頑張ってきた子どもたちのためにも広くメンバーを募集し、被災地全体を元気づけたい」と話す。
 募集するのは小中学生で楽器の有無や経験は問わない。練習は毎週日曜の日中。学業と部活動優先で、気仙沼市の練習場まで保護者が送迎できることが条件。連絡先は菅野さん090(3753)0163。


2016年12月02日金曜日


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