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<モンテ苦闘>戦術変更手探り続く

 J2山形は、11勝14分け17敗で今季を終えた。14位はJ2で過去ワースト。J1再昇格を目標に掲げながら、開幕から8戦連続白星なしとつまずいた。後期も立て直せず、一時はJ3降格も危ぶまれた。苦闘のシーズンを振り返る。(伊藤卓哉)

◎2016シーズン振り返る(下)誤算

 今季J2に降格した3チームは、明暗が分かれた。山形が14位に低迷した一方で、清水は2位でJ1昇格を決め、松本は3位で昇格プレーオフに進んだ。

<共通意識持てず>
 清水と松本はJ1とプレースタイルを大きく変えなかった。清水は自らボールを動かすサッカーを貫き、松本は堅守速攻とパスワークを併用した戦術を徹底した。対照的に山形は戦術の変更を余儀なくされた。
 J2は番狂わせを狙い、DFとMFを自陣に並べて守りを固め、カウンター攻撃を重視するチームが多い。山形はJ1の昨季、前線からボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けた。今季も同じ戦術を基軸に臨んだが、攻めない相手にはマッチしなかった。
 7節町田戦に象徴されるように、図らずもボールを持ち、苦し紛れのパスを奪われ、攻め込まれた。試合後、MF汰木(ゆるき)は「やりたいことの共通意識が持てていない」と悔しがった。
 開幕から白星無しで迎えた8節に布陣を変更。センターバックを3人から2人に減らし、中盤を1人増やした。ドリブルが得意の汰木を起用したほか、キープ力のあるFW川西を守備的MFにコンバートした。
 パスワークでボールをキープし、ポジションチェンジでマークを外したり、サイドを崩したりして得点機をつくった。DFラインを上げる余裕が出て守りも安定。8〜21節は7勝5分け2敗と調子を上げ、前期を暫定10位で折り返した。
 後期に入り、新しい布陣の要だった汰木、川西らがけがなどで戦列を離脱。攻守のバランスを欠いて22〜31節は6得点、16失点となり、10試合連続で勝てなかった。35節からセンターバックを3人に戻して巻き返しを図ったが、残り8試合中4試合で退場者を出し、自縄自縛に陥った。

<補強も機能せず>
 補強にも課題を残した。清水は主力の顔ぶれを変えず、松本は新旧の選手が戦術に融合した。選手を大幅に入れ替えた山形は13人が加入したものの、DF田代を除くと先発に定着できず、十分に機能しなかった。
 新戦力のうち、得点源として注目されたFWディエゴローザは1得点に終わった。DFラインの裏を突くスピードが持ち味だが、DFラインを下げた相手に活躍の機会は少なかった。
 FW大黒は得点力を発揮。ただし開幕直前に加入したほか、けがもあり、大黒中心のチームをつくれなかったのは痛かった。主力として期待されたFW鈴木、MF佐藤もけがで出場時間が限られた。
 一方、山形からは中堅選手ら主力の約半分が移籍。皮肉にも松本に加わったMF宮阪、DF当間は、移籍先で上位進出に貢献した。最終節の記者会見で石崎監督は「中堅を引き抜かれた。ベテラン、中堅、若手をうまく潤滑させないと、同じ形になってしまう」と編成に不満をにじませた。(伊藤卓哉)


2016年12月03日土曜日


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