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<東日本大震災>復興支援の学生団体 岐路

学生団体が復興支援活動の課題を話し合ったワークショップ=11月12日、仙台市青葉区の仙台第一生命タワービル

 東日本大震災からの復興を支援する東北の学生団体の活動が曲がり角を迎えている。震災発生から5年半以上たってメンバーの代替わりが進み、多くの団体が活動意欲の低下や組織運営の難しさに直面する。被災地では本格復興に向けて若い力への期待が依然大きいが、学生団体を取り巻く環境は厳しさを増している。(報道部・小沢一成)

<人手足りぬ>
 「目に見える形の復旧はめどが立ったが、まだ支援が必要だということが忘れかけられている」。被災者支援を続ける福島市の学生団体、福島大災害ボランティアセンター代表の4年久保香帆さん(22)が嘆く。
 同センターには学生ボランティア約350人が登録するが、活動への参加経験があるのは3、4割ほど。参加者不足で中止した支援活動もあり、意識の風化が進む。2年武田若菜さん(19)は「被災者のニーズを聞き出したいが人手が足りず、活動をこなすだけで精いっぱい」とうつむく。
 岩手県立大学生ボランティアセンター代表の3年鈴木隼人さん(20)は「学生スタッフの熱意は右肩下がりだ」と打ち明ける。震災関連のボランティア依頼は最近ほとんどなく、「新たな目標を見つけられない」という。
 宮城復興局が6〜9月、復興支援に取り組む東北の約20の学生団体に聞き取ったところ、半数が組織の課題に「運営」を挙げた。同局は「震災当初は使命感にあふれていても、メンバーが交代するとモチベーションが下がる。代替わりを繰り返す学生団体の宿命だ」とみる。

<仲介者望む>
同局は11月12日、学生団体が課題を話し合うワークショップを仙台市で初めて開催。岩手、宮城、福島の被災3県から20団体約60人が参加し、「被災者との接し方が分からない」「活動資金をどう確保したらいいか」「支援の効果が見えにくい」といった悩みを共有した。
 参加した東北大の学生団体「スクラム」副代表の2年桐原朋哉さん(19)は「学生団体同士は普段はつながりがないので、NPOなどが仲介してくれるとありがたい。被災地のニーズを学生に発信する存在がいてくれるといい」と望む。
 学生団体を支援する盛岡市のNPO法人「いわてGINGA−NET」代表の八重樫綾子さん(27)は「震災6年目に入り、学生は誰のために、何のために活動しているのか、本来の目的が分からなくなってきている」と指摘。「若者のひたむきな姿は被災者を元気づけているが、学生団体が活動を継続するには、支え続ける大人がいないと難しい」と話す。


2016年12月04日日曜日


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