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自死偏見ゼロ社会を 遺族グループ設立10年

集まった遺族を前に、10年の活動を振り返る田中さん

 仙台市の自死遺族でつくる自助グループ「仙台わかちあいの集い 藍(あい)の会」が設立10年を迎えた。3日に青葉区であった節目の集いでは、遺族が自らの経験を語り合った。悲しみや痛みを分かち合う先に、自死そのものや自死を巡る偏見のない社会の実現を目指す。

 集いには遺族ら約50人が参加した。自死遺族の苦悩を追ったテレビ番組のDVDを鑑賞し、会の設立に携わった人の話を聞いて10年の歩みを振り返った。
 市内に住む遺族3人が体験を語った。8年前に娘を亡くした男性は「5年間は時間が止まったままだった。家族とさえ娘のことを語り合えなかった」と苦しみを明かした。
 母を失った男性は自らも死のうと思い詰めていたとき、インターネットで会の存在を知った。「藍の会に出会って、生きていける気がした。親の年齢を越えたい」と話した。
 藍の会は、自死で家族を失った人たちの自助グループとしては全国でも先駆けとなる団体だ。全国には現在、50以上のグループができ、取り組みが広がっている。
 藍の会を設立した田中幸子さん(67)は「仲間に支えられながらの10年間だった。多少なりとも語りやすくなってきた」と振り返りながらも「社会には差別や偏見が数多くある。行政の支援もまだまだ十分ではない」とみる。
 全国自死遺族連絡会の代表理事も務める田中さん。「同じように悲しむ遺族が増えるのはもうたくさん。専門家を含め、10年で得たつながりで自死をゼロにし、遺族の会が必要のない社会にしていきたい」と語った。


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2016年12月05日月曜日


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