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<この人このまち>久慈ブランド全国発信

香取正博(かとり・まさひろ)1984年千葉県君津市生まれ。千葉理容専門学校卒。2009年から東京で美容室を経営。16年に久慈市に移り住み、ナインオクロックを設立した。連絡先は0194(75)3665。

 岩手県久慈市に集積する縫製業の高い技術力を生かし、オリジナルTシャツを作って全国に発信しようと、元美容師の香取正博さん(32)が挑戦している。東京から移り住み、今年7月にアパレル会社「9o’clock(ナインオクロック)」を設立。縫製の街に新風を吹き込もうと意気込む。(盛岡総局・松本果奈)

◎アパレル会社「9o’clock」代表 香取正博さん(32)

 −扱う製品は何ですか。
 「綿100%で肌触りが良く、光沢のあるシンプルな無地Tシャツです。半袖と長袖で白、黒、ライトグレー、ミックスグレーの4色。クルーネックとVネックがあります。社名は『久慈』と英語の『9時』を掛けました。縫製してくれるのはアクティブという工場。縫い目がきれいです」
 「通信販売が中心ですが、久慈と盛岡のセレクトショップ計3店でも扱っています。価格は1枚3500円から。大量生産、大量消費に疑問があり、中価格帯で上質な商品の提供を目指しています」
 −縁のない久慈市で会社を設立した理由は。
 「専門学校を卒業後、18歳から東京で働きました。25歳で独立し都内で美容室2店舗を経営しました。流通に興味があり、同僚やお客さんと話すうちに、高品質の定番衣類に需要があると感じました。細部に気を配ったメード・イン・ジャパンを目指したかった」
 「久慈市がアパレル産業を積極的に発信していることを知り、起業するならここしかないと決断しました。美容室を売却し移住したのは今年4月。久慈では工場ごとに、高級婦人服やベビー服など専門的な技術が継承されていることが魅力。全くの素人ですが、工場の技術者や商工会議所に相談に乗ってもらっています」
 −久慈市民にもTシャツを着てもらいたいですね。
 「久慈を前面に出したブランドはなかった。地元の人が手軽に買えるブランドがないのはもったいない。シンプルを極めたTシャツに触れてみてほしいです」
 −久慈市は夏に台風10号豪雨で被災しました。
 「幸い自宅に被害はありませんでした。自分にも何かできないかとボランティアに参加し、家族を助けるような気持ちで泥のかき出しを手伝いました」
 −今後の展望は。
 「東日本大震災の爪痕はまだまだ残っています。会社が成功して街が盛り上がれば、大きな支援になると思います。いずれはTシャツ以外の商品も手掛け、久慈発の全国ブランドに育て上げるのが目標です」


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2016年12月05日月曜日


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