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<日沿道逆走事故>「気付かせる」対策必要

大内JCTにある平面交差。逆走はこの場所から始まったとみられる

 秋田県由利本荘市の日本海沿岸東北自動車道(日沿道)大内ジャンクション(JCT)で10月、高齢の男女3人が死亡した逆走事故は、幾つかの危険要素が積み重なって起きた。同様の事故を減らすには、従来の「逆走させない」対策に加え、「逆走した場合はすぐに気付かせる」ことにも力を入れるべきだ。
 最大のリスクは、構造上の問題と言える。大内JCTの構造は=図=の通り。平面交差部分はほぼ直角に交わっており、直進を促す看板が設置されている。事故は、交差部分で誤って左折したことが原因とみられる。
 秋田県警によると、死亡した3人が乗った軽乗用車は、にかほ市を通り、新潟方面に向かう予定だった。現地を視察した秋田大の水戸部一孝教授(人間情報工学)は「新潟方面へ向かう上り線の流入路を見落として直進後、平面交差に至り、左折すれば上り線に合流すると勘違いしたのではないか」と推測する。
 では、なぜ流入路を見落としたのか。平面交差の約100メートル手前には進行方向を示したり、交差部分に注意を促したりする標識や看板が10以上ある。ここにも危険要素が潜む。事故が起きたのは午前4時で、周囲は真っ暗だった。視界は極端に狭くなり、車のライトの向きによっては標識や看板が目に入らなかった可能性がある。
 大内JCTを管理する県は事故を受けて、進行方向を矢印で予告する看板を分岐部分の100メートル手前に新たに設け、さらに点滅合図を設置する。平面交差部分には路面のカラー舗装や標識、看板を増設して直進を促す。工事は年内に終了する予定で、事故前よりも対策は強化される。
 ただ、それらはいずれも「高速道や自動車専用道路は逆走しないことを大前提にしている」(県警幹部)という従来の安全対策が中心で、「すぐに気付かせる」ことには踏み込んでいない。ミスを誘発しやすい要因を把握し、最終的に食い止める対策が必要だ。
 コストや管理面の課題はあるが、例えば平面交差部分に、センサーで進行方向を検知し、逆走車には自動料金収受システム(ETC)のような遮断機を下ろすシステムを導入できないだろうか。平面交差と本線の間に、逆走を知らせる点滅式の大きな看板を設置することも考えられる。
 大内JCTのような構造の平面交差は、比較的交通量の少ないJCTやインターチェンジ(IC)で採用されている。東北6県には高速道と自動車専用道路で計16カ所ある。
 高速道の運転は、瞬時の正確な判断と対応が求められる。高齢化が進む東北では今後、さらに逆走事故が増える恐れがある。今回の大内JCTの安全対策は、同様の平面交差がある他のJCTやICのモデルにならなければいけない。そうでないと、事故の教訓は生かされない。(秋田総局 藤沢和久)

[日沿道の逆走事故]10月21日午前4時ごろ、由利本荘市米坂の大内ジャンクションで、下り線から出口に向かう道路を逆走した軽乗用車が、本線との分岐部分付近で大型トラックと正面衝突した。軽乗用車の農業の男性(76)、同乗の無職の男性(82)とその妻(79)の3人が死亡。現場付近は6時間以上、通行止めとなった。


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2016年12月05日月曜日


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