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<せんだい猫事情>「譲渡会」つながる命

ボランティアから子猫を手渡され、思わず頬が緩む譲渡会の来場者(右)=仙台市宮城野区の市動物管理センター

 「めっちゃかわいい」「癒やされる」と周囲の愛情を一身に集める一方で、「うるさい」「汚い」と邪険に扱われる。かと思えば、地域おこしのシンボルにと期待を寄せられる不思議な小動物、猫。百万都市仙台に暮らす猫たちの今を拾い集めた。(夕刊編集部・三浦康伸)

◎百万都市に暮らす命(2)出合いの場

 「抱っこしてみますか」
 「わあ、かわいい」
 胸元で動き回る子猫の愛くるしさに頬が緩む。

<9割以上子猫>
 10月22日、仙台市宮城野区の市動物管理センターで開かれた「猫譲渡会」。センターに直接、または警察署経由で持ち込まれた猫約30匹が展示された。授乳ボランティアに飼育された猫たちを迎え入れようと、市民ら約80人が来場した。
 大きなキャリーバッグを持ち込んだのは若林区の男性(29)。「以前飼っていたが、彼女が連れて出ていってしまって。寂しかった」と言う。引き取るのは2匹。黒い子猫のきょうだいだ。「大切に育てます」と目尻を下げた。
 この日は計15匹が新たな飼い主を得た。
 2015年度、センターが引き取った猫は1175匹。うち殺処分は571匹だった。処分数は10年度の1188匹を最後に3桁台で推移している。
 処分数の9割以上を占めるのが子猫だ。生まれたばかりで目も開いていない状態で持ち込まれるケースが多い。小野寺順也所長は「ミルクを与えようにも、受け付けない。手の施しようがなく、安楽死させるしかない」と顔を曇らせる。

<モラル教育を>
 12年の動物愛護管理法改正以降、センターでは市民ボランティアの協力を得て、野良猫の不妊の推進と譲渡活動に力を入れてきた。それでも、12年から4年間で引き取った子猫の数は年1100〜1400匹台で大きな変化はない。
 「出産直後に子どもを引き離された親猫は、すぐに発情・妊娠する。みだりに繁殖させないという人間側のモラル教育を進めたいが、手が回らない」と小野寺所長はいら立つ。
 「飼いやすい」「金がかからない」などの理由から、空前の猫ブームとされる今。浮かれる人間たちの陰で小さな命が揺れている。


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2016年12月06日火曜日


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