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賢治の畑で「白菜学習」が拡大

浦戸諸島の種を使った白菜を収穫する南城小の児童

 宮城県塩釜市浦戸諸島の白菜の種を使った食の体験活動が、岩手県花巻市の小学校で広がっている。大正時代から続く品種と、明治から大正、昭和と生きた花巻ゆかりの宮沢賢治(1896〜1933年)の詩「白菜畑」を関連付けた取り組み。賢治が耕した畑での栽培体験のほか、スーパーと連携した販売活動など多彩な学びに活用されている。
 南城小では、浦戸諸島で採れた「松島系」と呼ばれる白菜の種から育った苗を、賢治が白菜を栽培したとされる「下ノ畑」(花巻市桜町)に植えた。11月17日には5年生89人が収穫に臨んだ。
 奥谷夏生音(なおと)君(11)は「白菜の収穫は初めて。持ってみたら、赤ちゃんくらいの重さで大きかった」と感想を語った。
 同校は、東北の食文化を研究する仙台市の市民グループ「食の学人(まなびと)の会」と、畑を管理する住民グループ「下ノ畑保存会」の協力で、2013年度に栽培体験を始めた。14年度からは6年生が修学旅行で浦戸諸島を訪れ、地元の小学生と交流している。
 笹間二小も本年度、食の学人の会の協力で体験活動を始めた。同校近くにあるイオンアグリ創造(千葉市)運営のイオン岩手花巻農場の一角を借りて白菜を栽培。収穫後、全学年22人が11月18日に北上市のイオン江釣子店で「宮沢賢治さんゆかりの白菜」として販売した。大越千晶校長(56)は「種から育て、販売する全ての過程を体験する貴重な機会になった」と話す。
 南城小と笹間二小の児童が収穫した白菜は、市内の他の小中学校でも給食の食材に使われる。
 食の学人の会代表で、明成高(仙台市)調理科の高橋信壮教諭(43)は「今年で生誕120周年の賢治ゆかりの地で、100年近く続く宮城の食文化を学ぶことは、東北の地域づくりにつながる」と意義を説明する。


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2016年12月06日火曜日


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