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<せんだい猫事情>気ままに人を癒やす

男性客の操るひもに飛び付き、本来の無邪気さを見せる猫たち=仙台市青葉区の猫カフェ

 「めっちゃかわいい」「癒やされる」と周囲の愛情を一身に集める一方で、「うるさい」「汚い」と邪険に扱われる。かと思えば、地域おこしのシンボルにと期待を寄せられる不思議な小動物、猫。百万都市仙台に暮らす猫たちの今を拾い集めた。(夕刊編集部・三浦康伸)

◎百万都市に暮らす命(3)本来の姿

<にぎわう週末>
 日差しが優しく降り注ぐビルの3階フロアは、昼寝に絶好の場所だ。仙台市青葉区一番町にある猫カフェ。約30匹が愛猫家の到来を待つ。週末には約100人の来場者でにぎわう店内も、平日の午後はのんびりした空気が漂う。
 くねくねと動くひもに若い猫が飛び付いた。操っていたのは一関市の男性(27)。休日を利用して2年ぶりにやってきた。「犬のようなしつこさがなく、気ままなところが無条件にかわいい」と、じゃれつく1匹をそっとなでた。
 友人と訪れた泉区の女性(25)は初めての来店だという。自宅でも4匹飼っており、過去には最大15匹飼育していたこともあるという。「小さい時から身近にいて、いない生活は考えられない」と首を振る。
 マンチカンやラグドールなど純血種と並んで雑種も目立つ。ここにやって来る以前、彼らの多くは野良猫や捨て猫だった。

<持ち込み200匹>
 カフェを運営するのは、仙都動物病院(仙台市泉区)。毎年引き受け手のない猫が200匹近く持ち込まれる。中には感染症や寄生虫症など、難しい病気を抱えた猫も少なくない。一匹一匹を検査・治療し、去勢・避妊手術を施す。最後には身元識別用のマイクロチップも埋め込む。健康体となるまで世話をするのは、併設される東北動物看護学院の学生や職員たちだ。
 手厚い看護を受けた猫たちの多くは、学院が開催する譲渡会で新たな飼い主の元に巣立っていく。カフェにいるのはその一部だ。
 学院の茂木徳子副校長(67)は「受け入れを拒めば、どこかへ捨てられてしまうかもしれない。治療費の持ち出しも多いが、やめるわけにいかない」と言う。
 過酷な境遇を経て、本来の姿を取り戻した猫たちは、今日も街のあちこちで人々の心を和ませている。


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2016年12月07日水曜日


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