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<福島市長>行政マン手腕発揮も影薄く

(左下から時計回りに)小林福島市長、除染廃棄物の仮置き場、福島市役所、大笹生インターチェンジの記念式典のコラージュ

 福島市の小林香市長(57)は7日、就任から丸3年を迎えた。自身は東京電力福島第1原発事故後の除染の迅速化などを挙げ「全力で市政運営に当たってきた」と強調。周囲も「行政マン」として一定の評価をする。一方、市議会との関係ではぎくしゃくする場面があり、政治家としての影の薄さを指摘する声もある。(福島総局・阿部真紀)

<腕は確か>
 「住宅除染は今年5月に完了した」「女性の力を最大限に発揮できる環境づくりを進めてきた」。市議会9月定例会の一般質問。3年間を問われた小林市長は淡々と実績を読み上げた。
 市政は比較的順調とみられている。今年は福島県立医大、福島大がそれぞれ計画する新学部の誘致にめどが付いた。東北中央自動車道のインターチェンジ(IC)も市内に完成した。
 「市役所内の意識改革に熱心。職員は着実に力を付けてきた」と市幹部。財務省、環境省と歩んだ経歴を踏まえ、ベテラン市議は「霞が関での経験があるだけに、行政マンとしての腕は確か」と解説する。

<公私混同>
 だが、市議会との間は良好と言い切れない。今年3月の定例会では、副市長を2人にする条例改正案が反対多数(賛成11、反対23)であっさり否決された。
 東京出張の多さを指摘されることも度々。9月の決算特別委では、出張時に東京の自宅に泊まっているとして「公私混同だ」「(市長の市内不在は)危機管理の上で問題」と批判された。
 9月定例会一般質問では6月にあった隣接する伊達市の合併10周年記念式典を欠席したことが問題になった。市長は当日、千葉市であった「空のF1」と呼ばれるエアレースを個人的に観戦。福島市在住のパイロットの優勝に立ち会った。
 質問した市議は「伊達市議からこっぴどく怒られた。『大事な話があったんだべ』と言ってやったが、飛行機だったとは…」とあきれた様子で語った。
 「副市長2人制については議会側に相談がなかった」と市議の一人。3年前の市長選で応援した県議らは「当時は知事選にも意欲をのぞかせていた」「なのに、祭りなど地域行事に来ても町内会長にあいさつするだけ。気さくに市民と接する政治家らしい姿が見えない」と指摘する。

<転換期に>
 福島市は転換期にある。2017年度には東北中央道が米沢市まで延び、18年4月を目標にする中核市移行への準備も加速する。周辺をけん引する県都としての役割がより求められる。
 伊達市の仁志田昇司市長は「周辺にもプラス効果があるような視点で広域連携を考えてほしい」と注文。今西一男福島大教授(都市社会学)は「福島県北がどんな地域を目指すか、福島市がリーダーシップを発揮し、具体的な方向性を打ち出す必要がある」と語る。
 1期目の任期満了まで1年。小林市長は11月の定例記者会見で2期目への意欲を問われ「福島市を何とかしなければと思い、体力の続く限りやっている。それを成し遂げるのが私の使命」と述べた。


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2016年12月07日水曜日


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