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<変えよう地方議会>執行部案深く掘り下げる

「議案修正こそ困難で意義のある議会の仕事」と語る福嶋氏(左から2人目)

 地方議会が今、問われている。全国で政務活動費(政活費)を巡る不正が明らかになる中、11月26日に仙台市内で開かれた「議会基本条例10年シンポジウム」(東京財団、河北新報社主催)。住民参加の手法や改革の本質を探ったパネル討論を詳報する。(報道部・丹野綾子)

◎シンポジウム詳報(2)議員間の自由討議

 東京財団は「議員間の自由討議」を議会改革の必須3要件の一つに掲げている。広瀬克哉法政大教授によれば「合議体である議会ならではの活動」だ。
 自由討議では、さまざまな地域や利害関係団体の代表である議員同士が、執行部案を巡って意見を戦わせる。複眼的に検証することで、執行部にも見えていない問題点を明らかにし、論点を明確にできる。
 「どういう議論を経て議決に至ったか、議会は住民に説明できなくてはならない」と広瀬氏。賛否が分かれる議案は、特に「議員個々の意見ではなく、議会全体として『こういう議論があった』と客観的事実を報告する必要がある」。
 こうした報告は、自由討議をしなければ不可能だ。同時に、議会力の向上にもつながるという。
 「政策提案は執行部任せ、自分たちは意見や要望を言うだけの議会ではいけない。結果的に執行部案を通す場合でも、自由討議で結論を組み立てる作業をやったのとやらなかったのでは、議会の関与度が全く違う」と広瀬氏は強調した。
 千葉県我孫子市で市議や市長を歴任した福嶋浩彦中央学院大教授は、人口減少社会の観点から自由討議の必要性を論じた。
 「従来の行政は、借金をしながらサービスを行い、施設を建ててきた。これからは本当に必要なものだけを選択しなくてはならない。何を諦めて何を優先するか、議会で話し合い、住民の合意形成を図る時代だ」と強調する。
 市長時代の福嶋氏は、根回しなしに政策提案し、議会に修正を求められることが珍しくなかった。緊張関係にあった存在だが「よりよい政策を住民に提供するため、執行部案をためらわず修正できる議会になってほしい」と激励した。


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2016年12月07日水曜日


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