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<東北大>IoT拡大へ新型振動子を製品化

製品化した振動子
金研が開発したランガサイト型の新型結晶

 東北大金属材料研究所(金研)発のベンチャー、ピエゾスタジオ(仙台市)などの企業グループが金研と連携し、電子機器の省電力化や小型化につながる振動子を製品化した。あらゆる機器をネットワークにつなぐ「モノのインターネット(IoT)」の拡大を見据え、産業機器や自動車部品、家電製品などでの利用を想定。2017年中の量産化を目指す。
 振動子はスマートフォンなどさまざまな電子機器に使用される数ミリ大の小型部品。規則正しい基準信号を発することで、電子機器が正確に動作するのに欠かせない。現在は、水晶振動子が最も普及している。
 製品化した振動子には、金研の吉川彰教授の研究室が2002年に開発した「新規ランガサイト型単結晶」を活用。水晶振動子に比べて機器の起動時間を10分の1ほどに短縮でき、消費電力を抑えられる。小型化を進めても、水晶振動子より安定した信号を発することができる特長があるという。
 ピエゾスタジオの井上憲司社長は「工場内の各種センサーなどIoTの関連機器はバッテリーかボタン電池で動くため、省電力化と小型化が重要。新型の振動子はその実現に役立つ」と強調する。
 企業グループは、新型結晶の大型成形にも成功。大型化により加工などの製造工程を効率化し、量産可能なコスト水準を実現した。将来的に水晶振動子並みの低コスト化を目指す。
 企業グループでは、ピエゾスタジオが事業主体となり、金研発ベンチャーのC&A(仙台市)が結晶の大型成形を担当。宮城県内の電子部品製造会社に結晶の加工を委託し、東芝照明プレシジョン(福島市)が最終組み立てと販売を担う。
 IoTや自動運転技術の進化により、振動子市場は拡大が見込まれる。金研の吉川教授は「振動子の生産は近年、アジア各国にシェアを奪われてきた。東北のものづくり企業が協力してシェアを奪還し、さらに伸ばしたい」と話す。


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2016年12月08日木曜日


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