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<せんだい猫事情>対象絞って経営順調

去勢手術後の雄猫の様子を確認する岡田さん

 「めっちゃかわいい」「癒やされる」と周囲の愛情を一身に集める一方で、「うるさい」「汚い」と邪険に扱われる。かと思えば、地域おこしのシンボルにと期待を寄せられる不思議な小動物、猫。百万都市仙台に暮らす猫たちの今を拾い集めた。(夕刊編集部・三浦康伸)

◎百万都市に暮らす命(4)専門ビジネス

<犬の設備不要>
 対象を「猫」一本に絞ることで、ビジネスを軌道に乗せた人たちがいる。仙台市宮城野区で東北唯一の猫専門病院を営む岡田季之獣医師(46)もその一人だ。
 「去勢手術は2分、避妊は10〜12分で終わります。専門医だからできることです。時間を短縮することで麻酔をする猫の負担も軽くなります」と胸を張る。
 開業は2000年。当初は「単価が安い猫専門なんて、食べていけないからやめておけ」と、先輩獣医師からさんざん言われた。
 それでも勝算はあった。「犬専用の設備が要らないし、散歩に必要な人手も省ける」。狙いは当たり、今では1日の治療件数が20〜30件。「1日10件あれば黒字」と言われる業界事情からみても、経営は順調だ。
 いつか野良猫や飼い主がいなくなった高齢の猫を保護し、治療・介護をする「シェルター」を建設したいと考えている。「今があるのは猫のおかげ。実現して恩返しをしたい」。夢は膨らむ。

<留守宅で世話>
 「人さまの自宅の鍵を預かるわけですから、信用を得るまでが大変です」と話すのは、猪股和浩さん(39)=仙台市青葉区=。仙台市内でも数少ない猫専門のペットシッターだ。
 13年、旅行添乗員から一念発起し起業した。1日1回、旅行や出張などで留守にする依頼者宅を訪れ、約1時間世話をする。健康状態のチェックにご飯の用意、トイレ掃除。遊び相手も仕事のうちだ。特別食しか口にしない猫には、レシピを聞いて調理もする。
 1日平均2.5軒。週末は4、5軒、お盆や年末年始には6、7軒回ることも。中には、来訪を察知して玄関で待ち構えている「ファン」もいる。
 「猫以外は分からないから、特化してやりたい」と猪股さん。今日もかわいい「顧客」が待つ仕事先へ車を走らせる。


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2016年12月08日木曜日


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