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<富岡町>複合災害の教訓発信 条例制定へ

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町は、全国初となる「震災遺産保全条例」を制定する方針を決めた。東日本大震災と原発事故を物語る遺産を守り、複合災害の教訓を未来と世界に発信する姿勢を打ち出す方向で、2017年3月の成立を目指す。町が8日、郡山市であったアーカイブ施設検討町民会議で明らかにした。
 17年の町議会3月定例会に提出予定の条例案は、震災遺産の位置付けや、保全に向けた町の姿勢、理念を明確にする。複合災害の経験と記憶を風化させないため、町民と共に継続的な資料保全と発信に努めることなどを盛り込む方向だ。
 町は14年6月、「歴史・文化等保存プロジェクトチーム」を設置。地震発生時刻の午後2時46分近くで止まった時計、津波で被災したJR富岡駅の備品、町災害対策本部跡に残された書類など震災遺産計5000点以上を収集してきた。
 遺産などを紹介する企画展をいわき市内で開催し、今年3月には「震災遺産保全宣言」を発表した。さらに効果的に情報を発信するため、象徴的な震災遺産を認定する制度も検討中だ。
 プロジェクトチームメンバーで富岡町の三瓶秀文主任学芸員は「複合災害によって地域で何が起こったのかを記録し、教訓として国や世代を超えて発信することは、被災した自治体としての使命だ」と意義を語る。


2016年12月09日金曜日


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