広域のニュース

<変えよう地方議会>まちづくりで存在感発揮

被災自治体から多くの議員が参加したシンポジウム

 地方議会が今、問われている。全国で政務活動費(政活費)を巡る不正が明らかになる中、11月26日に仙台市内で開かれた「議会基本条例10年シンポジウム」(東京財団、河北新報社主催)。住民参加の手法や改革の本質を探ったパネル討論を詳報する。(報道部・丹野綾子)

◎シンポジウム詳報(4完)震災を経て

 「東日本大震災を経験した東北から、災害時の議会の在り方を全国に発信してほしい」。月刊誌「ガバナンス」の千葉茂明編集長は、こんな問題提起をした。
 被災3県の沿岸部では、議員や自治体職員も多数犠牲になった。そんな中で復興まちづくりの議論と、巨額の復興予算の編成・執行が同時に求められた。
 「復興の加速化」が合言葉になると、時間のかかる議会の議論は敬遠され、首長の専決処分が増えた。
 「震災直後は、話し合っている場合ではないという雰囲気があった。遠慮してきた議会が後になって復興構想に意見を言ったら、『今ごろ言っても計画は進んでいる』となった」
 広瀬克哉法政大教授は当時を振り返り「災害時、どの時点から議会は議論を尽くすべきか、平時に考えておかないと手遅れになる」と警鐘を鳴らす。
 江藤俊昭山梨学院大教授は、議会基本条例で住民報告会の開催を義務付けていた陸前高田市議会の取り組みを紹介した。復興計画に住民の声を反映させようと議会は、全国に散らばった被災住民を訪ね歩いて住民報告会を開いた。
 「基本条例のある議会は、住民と接しながら復興計画の議決に臨んだ。災害時に議会が邪魔者にされたり、首長に専決処分を連発されたりしないよう、平時から『災害対策議会』を総合計画に明記してほしい」と助言した。
 復興まちづくりの検討で議会が存在感を発揮した事例もある。宮古市議会は、住民ワークショップを開き、そこでの意見に基づいて人口定住策を執行部に提案、予算に反映させた。
 千葉氏は言う。「被災地は人口減少に直面している。多様な民意を吸い上げるのは、首長より議会の方が得意なはず。議会は対話によってもっと活躍できる」


関連ページ: 広域 政治・行政

2016年12月09日金曜日


先頭に戻る