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盛岡発覆面本「文庫X」大ヒット ベール脱ぐ

取材の裏話や「文庫X」の企画意図を語り合う清水さん(左)と長江さん

 岩手県盛岡市のさわや書店フェザン店が、書名と著者名を隠して販売した「文庫X」が全国で約15万部を売り上げるヒットとなった。買ってページをめくるまで内容が分からない謎めいた趣向が話題を呼び、取り扱いが全国650書店に拡大した。同店は9日、著者を招いた記念イベント「文庫X開き」を開催。書名を「殺人犯はそこにいる」(新潮社)と明らかにした。

 著者はジャーナリストの清水潔さん。1979〜96年に栃木、群馬両県で女児5人が殺害、誘拐され未解決となっている「北関東連続幼女誘拐殺人事件」の真相に独自取材で迫ったノンフィクションだ。
 文庫Xのアイデアは、本の内容に感銘を受けた同店店員の長江貴士さん(33)が考案。「あまり人が手に取らないジャンル」と感じたため、ミステリアスな覆面本に仕立てて今年7月に販売を始めた。
 立ち読みできないよう透明のフィルムで包み、印刷した専用カバーには「読んでほしいと心の底から思える一冊」など熱い思いをびっしり書き込んだ。
 レシートにも書名が表示されない徹底ぶり。本を開く前に知り得る情報は(1)価格は税込みで810円(2)ノンフィクション(3)500ページ以上−に限った。
 イベントでは購入者ら約120人の前で、清水さんと長江さんが作品への思いを語り合った。清水さんは「まさかこんな形で売られるとは夢にも思わなかった。二度と悲惨な事件が起きないよう真相を知ってもらい、周りの人に勧めてほしい」と語った。
 長江さんは「読んだ瞬間に衝撃を受け、広く伝えるべきだと思った。今後は文庫Xではなく、本の内容を主役に販売していきたい」と話した。


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2016年12月10日土曜日


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