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<常磐線>「復興の象徴」沿線沸く

復興支援で東京から訪れたボランティアたちも、一番列車が走る姿を見送った=10日午前5時44分、宮城県山元町

 東日本大震災で大きな被害を受けたJR常磐線が5年9カ月ぶりに相馬(福島県相馬市)−浜吉田(宮城県亘理町)間で運行再開した10日、沿線自治体の住民は待望の鉄路復活に沸き返った。「復興のシンボルになってほしい」。利用者の希望を乗せ、常磐線が再び動きだした。

 仙台駅と約40分で結ばれた宮城県山元町の山下駅。夜明け前にもかかわらず、午前5時42分の仙台行き始発列車出発時には、町民や役場関係者ら約300人が駅に駆け付けた。
 「おかえり!常磐線」と書かれた横断幕を用意した町民もおり、ホームは祝賀ムード一色に。沿岸部の自宅を流され、町内の別の場所に移転した会社員加藤智春さん(41)は「ずっと再開を待っていたので、一番列車を見送りたかった。電車が通れば、多くの人が町に来てくれる」と話した。
 一番列車には約100人が乗り込んだ。「今後も皆さまに愛され、親しまれる鉄道を目指します」と車内アナウンスが流れると、山元町の無職鈴木敬一さん(75)は「みんなが喜んでいる。最高」とにこやかに話した。
 福島県新地町の新地駅でも、住民ら1000人以上が参加し記念式典が行われた。来賓出席したJR東日本の冨田哲郎社長は「仙台圏との交流が拡大し、地域が元気になってほしい」とあいさつ。安倍晋三首相も現地を訪れ、テープカットで運行再開を祝った。
 駅前では地元住民が神楽やダンス、吹奏楽を披露。高校生が手作りワッフルを振る舞うなどして乗降客を出迎えた。


2016年12月10日土曜日


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