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<長沼ボート場>五輪合宿案「今回も空手形」

登米市民有志が長沼ボート場に設置した看板。五輪の「会場誘致」から「キャンプ地誘致」を訴える文面に変更された=宮城県登米市迫町

 2020年東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場の候補地だった宮城県長沼ボート場(宮城県登米市)を巡り、小池百合子東京都知事らが示した事前合宿地としての活用案に地元関係者が冷めた視線を送っている。会場変更問題では最後にはしごを外されただけに、「今回も単なる空手形では」と懐疑的な見方が広がる。
 国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、政府の4者が11月29日に東京都内で開いたトップ級会合で、長沼での開催を見送り、「海の森水上競技場」(東京都)をコストを抑えて新設することが固まった。
 会合では、小池知事が「長沼は事前合宿地として活用可能」と宮城への配慮を明言。IOCのコーツ副会長も「活用を約束する」と協力姿勢を示した。
 落選した長沼にとっては歓迎すべき話だが、県や登米市は先行きを額面通りに受け取れずにいる。県の問い合わせに対し、東京都からは協力への具体的な提案がまだないという。
 県や登米市などによると、合宿地は各国の競技団体と自治体の直接交渉で決まり、日本ボート協会などがサポート役に回る。県震災復興・企画総務課は「都や、中立的立場にあるはずのIOCが誘致交渉に関わることなど考えられない」と戸惑いを隠せない。
 市は一連の「長沼騒動」に巻き込まれる前の今年4月から、ボート競技で長沼への事前合宿誘致を進めてきた。6月にはカナダチームの現地視察を実現させるなど、積極的に働き掛けてきた経過がある。
 周辺の宿泊施設などを考慮すると実際に合宿できるのは2カ国程度とみられ、国選びなど慎重な戦略が求められる。市は都やIOCの動きは当てにせず、独自に誘致を進める方針だ。市幹部は「もう振り回されない。これまで通り淡々と活動を続ける」と話す。
 五輪の長沼開催を目指した県議連盟(解散)の代表を務めた畠山和純県議(気仙沼・本吉選挙区)は「会場変更で地元を騒がせたことに小池知事から謝罪がないのも問題だが、今回の合宿も具体的な話は何もない。あまりに無責任だ」と対応を疑問視する。


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2016年12月11日日曜日


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