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<常磐線>軌道の響き沿線に笑顔

「おかえり!常磐線」。山下駅のホームでは住民らが横断幕を掲げ、運行再開を祝った=10日午前11時15分ごろ、宮城県山元町

 JR常磐線が相馬(福島県相馬市)−浜吉田(宮城県亘理町)間で運行再開した10日、沿線に喜びの小旗が揺れた。東日本大震災による休止から5年9カ月。久しぶりの軌道の響きに、地域住民は確かな復興の足取りを感じ取った。
 この日、駅舎が移設された自治体ではセレモニーが開催された。宮城県山元町の斎藤俊夫町長は「途切れた鉄路が再びつながることを喜び合いたい」とあいさつ。福島県新地町の加藤憲郎町長も「鉄道を核に活気ある街づくりを進める」と力を込めた。
 各会場では小旗や記念グッズが配られた。「おかえり!常磐線」と書かれた横断幕も登場し、沿線は祝賀ムードに包まれた。
 一番列車は午前5時台。夜明け前にもかかわらず、駅には利用客や見学に訪れる住民の姿があった。
 山元町の山下駅では、横浜市職員の岩沢利之さん(56)が一番乗りを果たした。昨年から応援職員として町に派遣され、鉄道の復旧事業に携わってきた。「ようやくこの日を迎えることができた。涙が出る思い」。午前4時に並び、念願の切符を手にした。
 沿線となる宮城県南、福島県沿岸部にとって、仙台市は身近な存在だった。100万都市と直結したことで、常磐線の利便性は一気に高まる。
 夫婦で山元町の坂元駅に足を運んだパート佐藤由美子さん(60)は、仙台が勤務先。これまでは浜吉田駅まで車で向かい、列車に乗り換えていた。「常磐線1本で行けるので便利になります」
 新地町の高校1年寺島彩さん(16)は、学校行事に参加するため早朝の上り列車に飛び乗った。「仙台で気軽に遊べるようになるのがうれしい。たくさんライブに行きたい」と声を弾ませた。


2016年12月11日日曜日


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