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<カンボジア育蹴記>世界目指した指導必要

ミャンマーとの親善試合で、リードしながら終盤2失点して敗れた後のミーティングに臨む井上さん(手前右から2人目)=7月6日、プノンペンのオリンピックスタジアム

 カンボジアフットボールアカデミーと同国のU−16(16歳以下)代表監督を務めています。日本サッカー協会(JFA)公認の海外派遣指導者として、いわゆる外国人監督の立場でサッカーの指導をすることになり、カンボジア国内はもちろん、アジア各国のサッカー関係者と交流する機会が増えました。

 アジアでの日本人コーチは「指導力が高い」「豊富な知識を持っている」「物事を計画的に進める」といった印象を持つ方が多く、好意的に受け入れられているように感じます。
 過去、日本のサッカーはアジア予選を突破できず、ワールドカップに出場できない時期が長く続いていましたが、1998年の初出場以降、5大会連続で出場しています。日本人コーチに対する印象の良さは、日本サッカーがアジアのリーダー的存在として認められ、日本から学びたいと思っている若い世代が多くいることによると思います。
 一方、世界のサッカー界から日本人コーチを求められているかといえば、まだそうとは思えません。

 近年、国際試合における日本代表チームのメンバーを見ると、日本国内のクラブでプレーする選手より欧州の名門クラブに所属する選手の方が多い時代になりました。日本サッカーがさらに世界のトップクラスに近づくためには、日本人監督が世界の名門クラブで指揮を執り、指導面でもレベル向上を図ることが求められます。
 選手が世界で活躍するだけではなく、指導者も世界に認められるようになった時、日本サッカーが世界のトップクラスの仲間入りを果たすことになるでしょう。子供たちに「世界を目指せ!」と要求すると同時に、指導者も一緒に世界を目指さなければいけない。日本を離れてからさらに強く思うようになりました。

[JFA公認指導者の海外派遣]JFAによると、1999年にマカオ協会からの要請を受け上田栄治氏(現JFA理事)を派遣して以降、延べ25カ所のアジアの国や地域に代表監督や育成コーチ、技術委員長、審判インストラクターなどを派遣している。なお、JFAの派遣ではなく、外国でサッカーの指導に当たっている人もいる。

[いのうえ・かずのり]仙台大大学院修了。ジェフユナイテッド市原育成部の仙台スクールでの指導を経て、ベガルタ仙台の前身であるブランメル仙台のジュニアユース、ベガルタ仙台のスクールコーチなどを務めてきた。JFAのアジア貢献事業の一環で今年2月からカンボジアに赴任中。石巻市出身。45歳。


2016年12月13日火曜日


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