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<岩手山>ミュー粒子で火山活動探査

ミュー粒子を利用した岩手山の内部構造探査計画を報告する研究チーム

 岩手県立大と岩手大、首都大学東京、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)の共同研究チームは、宇宙線から生じ物質を通り抜ける性質を持った「ミュー粒子」を利用し、岩手山の内部を透視して火山体構造を探査するプロジェクトを進めている。マグマの状況や火山活動の推移を分析し、今後の噴火予知など火山防災につなげる。
 研究チームによるワークショップが12日、盛岡市であり、計画概要や探査状況などを報告した。
 岩手山の火口から東に約6.5キロ離れた岩手山青少年交流の家(滝沢市)の敷地内に観測機器1台を設置し、10月中旬に岩手山を透過するミュー粒子の解析を始めた。
 約2カ月の探査で、山の北側と南側で岩盤の密度に違いがあることが分かったが、現時点で内部は測定できていない。山に降り注いでいないミュー粒子も観測してしまう課題も挙がった。
 今後は別の観測地点に機器を増設して観測精度の向上を図るほか、3D映像化も検討する。
 プロジェクトリーダーで県立大総合政策学部の伊藤英之教授(火山学)は「探査は10〜20年のスパンで考えている。学術的な成果だけでなく、地域防災にも役立てたい」と話した。

[ミュー粒子]物質の最小単位である素粒子の一種。宇宙線が大気に衝突した際に生じ、厚い岩盤も通り抜けるほど透過力が強いのが特徴。ウランなど高密度の物質に当たると吸収されたり、進む方向が変わったりする。東京電力福島第1原発事故の原子炉内透視やピラミッドの内部調査にも活用されている。


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2016年12月13日火曜日


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