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<梁川城跡>二つ目の庭園跡 室町期の特徴

新たに見つかった庭園の池だったとみられる跡

 仙台藩祖・伊達政宗に連なる「伊達氏」が中世に居城とした梁川城跡(福島県伊達市)の発掘調査で、室町期の特徴を持った二つ目の庭園跡が見つかった。伊達市教委によると、中世の大名の館で複数の庭園が発見されるのは、東北で初めて。伊達家と幕府との結び付きの強さがうかがえるという。
 梁川城は伊達家3代義広(1185〜1256年)が建てたと伝わる。16世紀前半まで、伊達氏が居城にしたとされている。
 市教委は今年7〜12月、東日本大震災で被災し、移築した梁川小跡地を含む館の一部約840平方メートルを調査。これまで確認されていた庭園から約80メートル離れた場所に、池を備えた庭園が存在したことが分かった。
 市教委によると、東北地方の中世の館に複数の庭園が見つかったのは初めて。全国では豊後(現在の大分県)の大友氏や周防(山口県)の大内氏など、戦国時代の有力大名の館で確認されているという。
 二つの庭園の間には会合を行う「会所」があり、庭園は客をもてなす「公用」と、家族などと利用する「私用」にそれぞれ使い分けられていたとみられる。
 文化課の今野賀章文化財係長は「会所と庭園が隣接する(館の)構造は室町幕府将軍の館の特徴。幕府と主従関係を結んだとされる当時の伊達氏の政治的立場がにじみ出ている」と説明する。
 調査では室町時代前半に堀や土塁などを拡張した形跡や、酒を貯蔵したとみられる大型のつぼの破片も大量に見つかった。大人数を動員して増築した館に有力者や家臣を招き、頻繁に宴会を開いていたとみられ、「室町期に勢力を拡大した経緯も見て取れる」(今野係長)という。
 市教委は周辺の輪王寺跡や伝東昌寺跡などの調査も進めており、2018年度中を目標に、梁川城跡を含めた伊達家ゆかりの史跡の国指定を目指している。


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2016年12月14日水曜日


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